国公立医学部の最難関である京都大学医学部。
高い目標を掲げて受験勉強に励んでいる方の中には、「自分の勉強法はこれで良いのか?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
生まれ持った知的能力、これまで積み重ねてきた学習内容、これから勉強に使える時間…人によって条件は様々であり、「これさえすれば大丈夫!」というような絶対的な勉強方法の正解はありません。
一方で、合格した人たちの勉強方法には一定のパターンがあります。
例えば、多くの合格者は過去問を繰り返し解いていますし、応用力を身に付けるために同じ問題を異なる解法で解く、といった練習も行っています。
そこでこの記事では、京都大学医学部に合格するための勉強法について徹底的に解説していきます。
現役医学部生の経験を元にした説得力のある内容となっていますので、ぜひ最後までお読みいただけますと幸いです。
医学部受験の専門家
妻鹿潤
・個別指導塾の経営・運営でお子様の性質・学力を深く観る指導スタイル
・yahooやSmartNews、Newspicksなどメディア向け記事も多数執筆・掲載中
▼目次
京大医学部に合格するための勉強法の3つのポイント
京大医学部に合格するためには、以下の3つのポイントを押さえることが大切です。
②目標得点を明確にする
③失点の原因を分析する
目標を明確にし、そこから逆算して計画を立てることは、どんな大学・学部を目指す際にも大切ですが、難関大学になればなるほど問題の抽象度が上がるため、「自分が今どの位置にいるのか」が見えづらくなり、目標や計画を立てることも難しくなってきます。
そこでこの3つのポイントに着目し、現在の自分の位置(何ができていて、何ができていないのか)が冷静に分析することで、地に足の着いた学習計画を立てることが可能になります。
京大医学部などの難関大学を目指す方は、ぜひこの3つのポイントを押さえながら受験勉強を進めていただければと思います。
京大医学部に合格するための勉強法の3つポイント①過去問の活用
大学受験の勉強において、過去問の演習は欠かせません。
ただし、過去問はただ解けば良いのではなく、「何のために解くのか」ということを明確にし、最大限に活用する必要があります。
過去問を解く目的には、以下の2つがあります。
②本番の時間配分に慣れる
まず①の「出題傾向を知る」については、その大学でどのような問題が出題されているのかを知るということになります。
偏差値60くらいまでの大学であれば、どの分野が出題されやすいか、難易度はどれくらいかといった客観的な情報さえ押さえておけば問題ありませんが、京大医学部などの最難関大学の場合は、頻出分野や難易度といった情報だけではなく、出題者がどういった意図を持っているかまで問題を深く分析していく必要があります。
例えば、京大の数学には小問の誘導がありません。
自分で解法の糸口を見つけ、自分なりの論理で回答までたどり着く必要があります。
京大数学の出題意図は、一言で言うと「(解法を丸暗記するのではなく)本質を理解できているか」というものなのですが、この出題意図を本当の意味で理解するには、何度も何度も繰り返し過去問を解く必要があります。
京大の問題を初めて解くとき、多くの人は本質からは程遠く、解答に辿り着くことでやっとの状態だと思います。
ですが、模範解答で分からない部分があれば教科書に戻り、参考書から類題を探して解いて、もう一度過去問を見て…というプロセスを積み重ねれば必ず、京大の求める「本質」に辿り着ける瞬間がやってきます。
本質に辿り着くということは、一朝一夕にできるものではありませんし、簡単に習得できるコツがあるわけでもありません。
本質を知るためには、膨大な時間が必要であり、絶え間ない修練が必要です。「赤本を○周する」といったレベルではなく、「過去25年分の過去問を本質からすべて理解する」といった意気込みと覚悟を持ちましょう。
教科書の範囲の履修が終わったら、とにかく過去問に手を付けることをおすすめします。これから登る山の高さをまずは知りましょう。「ある程度実力がついてから…」と先延ばしにしていると、過去問を深める時間が無くなってしまいます。
過去問とその他の問題演習には同時進行で取り組み、その中で実力を伸ばしていくというイメージを持つことが大切です。
過去問の具体的な解き方については、古い問題から新しい問題へと順番に解いていくことをおすすめします。「25年前と今とでは問題の傾向が全く違うのでは?」と思うかもしれませんが、違うからこそ相対的に“最近の傾向”を知ることができます。
また、最近の問題になればなるほど、本番でも似たような問題が出題される可能性が高くなります。
直近10年分の問題は時間を測りながら、本番とできるだけ同じ条件で解くようにしましょう。
受験の直前期には、時間配分や問題の取捨選択のテクニックを身に付けることが重要になりますが、古い問題から順に解いていくことで、直前期にはちょうど直近の過去問で練習することができます。
これは、過去問を解くもう一つの目的である「②本番の時間配分に慣れる」にも通じます。高難易度問題に時間を掛け過ぎると、低~中難易度の問題も時間不足によって見直しが出来なかったり、焦って計算ミスをしてしまったりします。
問題の難易度を見極めたり、解法がすぐに思いつかない問題は後回しにしたりするなどのテクニックは非常に重要ですので、受験の直前期に過去問を解く際には、特に時間配分を意識しながら取り組みましょう。
なお、時間配分については、
・3分考えて分からなかったら次の問題に進む
・解けそうな問題から解いていく
などの方法の中から自分の性質に合ったものを見つけるようにしましょう。
ただし、どんな方法を取る場合も、必ず初めに「全ての設問にさっと目を通すこと」が大切です。
1問目から順番に一つずつ見てしまうと、試験の全体像を掴むことができず、後半で時間が足りなくなって冷静さを失ってしまうパターンが非常に多いです。
まずは問題用紙の全体を俯瞰的に眺め、「どこがクリアできそうか/どこで苦戦しそうか」といった心の準備をするようにしましょう。
京大医学部に合格するための勉強法の3つポイント②目標得点を明確にする
京都大学医学部に合格するためには、共通テストで90%以上、二次試験で60%以上の得点を得ることが目標になります。
難関大学の受験対策においては、難しい問題が解けるかどうかに注目してしまいがちですが、この「共通テスト9割、二次試験6割」の目標得点に達するためには、高難易度問題を解けるかどうかよりも、低~中難易度の問題でいかに失点しないかの方が重要です。
共通テストと二次試験の全ての問題の中で、いわゆる超高難易度と言われる問題は全体の1割程度、高難易度問題は3割程度です。残りの6割は教科書の内容をしっかりと押さえておけば解ける問題であり、ここで確実に得点することで合格にぐっと近づくことができます。
また、京大の二次試験のような記述式の問題においては、部分点を獲得することも非常に重要です。「京大の入試の採点では、消しゴムで消した跡まで採点される」という都市伝説もあるほど、解答に至る過程が重視されます。
したがって、たとえ最後まで解け切れなかったとしても、解答の入り口に立つ、あるいは中盤まで辿り着くということが重要であり、それは教科書レベルの基礎が身に付いているかどうかに左右されます。
ほかの大学で言えば、小問誘導の(1)~(2)が解けるかどうかが合否のカギを握るのと同じで、京大においても自力で小問(2)程度の解答内容まで辿り着けるかどうかがポイントになると理解しましょう。
また、超高難易度問題や高難易度問題はオリジナリティが高いため、対策が非常に難しく、試験本番にその場で解法を見つけなければなりません。一方、低~中難易度の問題は基礎知識や、応用問題であっても頻出パターンであることが多く、対策しやすいものとなっています。
当然ですが、基礎知識や王道の応用問題は、超高難易度問題の土台に当たるものです。
したがって、「1-1.京大医学部に合格するための勉強法の3つポイント①過去問の活用」で解説したように、過去問によって京大らしい超高難易度の問題に触れつつ、一方で基礎を固める意識も持つようにしましょう。
基礎を固めるために、特別な勉強法は必要ありません。
一般的な勉強の計画を立てるのと同じように、一日ごと/一週間ごと/長期休暇ごとのスケジュールを決めていきましょう。
・一日ごと:英単語を15個覚える
・一週間ごと:1単元分の復習+週末に過去問1年分
・長期休暇:問題集1冊を完璧に+過去問10年分
ただし、どの教科についても、最低2周、できれば3周以上は復習できるように計画を立てましょう。参考書や問題集を1周しただけでは、よほどの天才ではない限り京大医学部に合格できるほど知識を定着させることはできません。
知識の定着は、すなわち記憶の定着です。
エビングハウスの忘却曲線(※)の実験でも明らかにされているとおり、こまめに思い出すことで短期記憶は中期記憶へと定着していきます。
受験勉強の大半は、この中期記憶を鍛えることにほかなりません。とにかく何度も復習し、答えを覚えるまで問題集を反復して解き、基礎的な知識をしっかりと定着させていきましょう。
反復を繰り返すことでより短い時間で思い出せるようになり、記憶の定着率を高めることができるとされている。(参考:忘却曲線 – Wikipedia)
京大医学部に合格するための勉強法の3つポイント③失点の分析
京大医学部に合格するためには、「いかに点を取るか」という視点と同時に、「いかに失点しないか」という視点も非常に重要になります。
失点のパターンは、以下の4つに分類することができます。
①知識の不足
②経験の不足
③ケアレスミス
④時間の不足
まず、①の「知識の不足」については、単に問題を解くための知識が足りていない状態です。
地歴公民や生物の知識分野においてよく見られる失点で、その用語が覚えられていないために間違えてしまうといった場合です。
対策としては、とにかく時間を掛けて暗記するしかありません。受験直前の時期に「そもそも基礎的な知識が頭に入っていない」という状態では、その年の合格は非常に厳しいと考えましょう。
「1-2.京大医学部に合格するための勉強法の3つポイント②目標得点を明確にする」で述べたように、京大医学部と言えども出題される内容の6割は基礎的な問題です。
ここでつまずいているようでは合格はかなり遠くなりますし、記憶をひねり出すために時間を使っているようでは、本来時間を掛けて解くべき高難易度の問題に太刀打ちできません。
暗記は時間を掛けるしかありません。
年単位のスパンで復習を繰り返し、しっかりと知識のインプットと定着を図るようにしましょう。
②の「経験の不足」については、“知識はあるけれど、なぜか本番では解けない”というパターンになります。
後から問題を見返すと解けたり、解答を見ると意味はわかったりするのに、いざ試験本番になると糸口を見つけられない場合は、「問題を自力で解く」という経験が不足していると考えられます。
問題集では単元ごとに問題が並んでいるため、どの解法を使えば良いのか予想ができますが、試験本番は全ての範囲からランダムに出題されます。問題を解く経験が不足していると、どの解法を使えば良いのか見当が付けられず、手も足も出ないという状況になってしまいます。
この課題を最も簡単に解決する方法は、問題のパターンを暗記してしまうというものです。「この問われ方をしたら、この方法」というストックをひたすら頭の中に溜めていき、すぐに引き出せるよう練習していきましょう。
ただし、この方法にはデメリットもあります。
問題文の字面を見て反射的に解く方法では、王道パターンの応用問題は解けても、京大で出題されるようなオリジナリティの高い問題には対応することができません。
王道パターンについて一通り習得することが出来たら、京大の過去問や京大模試に取り組み、超高難易度問題にもどんどん取り組むようにしましょう。
初見ではなかなか解き切ることは難しいと思いますが、「1-1.京大医学部に合格するための勉強法の3つポイント①過去問の活用」で解説したとおり、解法で分からない箇所があれば教科書まで戻り、腰を据えてじっくりと理解してください。
また、一つの解法だけでなく、別解がある場合はそれぞれの解法で解けるようになりましょう。
別の解法で解いてみることで問題を様々な角度から捉えることができ、京大が求めている“本質の理解”に近づくことができます。
別解を含めてしっかりと理解するためには膨大な時間が必要になりますので、できるだけ早くから過去問に取り組むことが大切です。
「③ケアレスミス」と「④時間の不足」については、本番直前の時期であっても改善しやすく、点数に結びつきやすい対策となります。
「③ケアレスミス」は、その原因を分析することが大切です。
例えば、
・途中式の字が雑で、0と6を見間違えた
・単位の付け忘れ
・英語のカンマや?、!の付け忘れ
など、自分がどのタイプのケアレスミスをしやすいのかを調べましょう。
少し面倒かもしれませんが、間違いの内容を一つずつメモして集計し、客観的なデータを採るのがオススメです。
「ケアレスミスは見直しで防ぐ」という人もいますが、時間制限のある状況においてはそもそもミスをしないことの方が大切ですし、一度自分が正しいと思って書いた解答は、思い込みによって誤りを見落としてしまう可能性も高くなります。
0と6の見間違いが多い場合は、急いでいるときでも0と6だけは丁寧に書く、単位の付け忘れが多い場合は、単位だけ先に解答用紙に書くなど、一つ一つ具体的に対策していくと良いでしょう。
「④時間の不足」については、本番と同じ時間内で解く練習をすることが大切です。
例えば、京大の理系数学は6つの大問を150分で解き切らなければなりません。
では、1問あたり25分で解けば良いのかといえばそれほど単純な話ではなく、比較的難易度が低く計算量の少ない問題は20分弱で、難易度が高く計算量も多い問題は30分掛けて解くといったように、問題の難易度に合わせた時間の調整が必要です。
そのためには、問題をパッと見たときに大体の所要時間を見積もる能力と、想定通りに解答が進まなかった時に柔軟に対応する能力の2つが必要です。
「最初に問題全体に目を通す」「こまめに時間を確認する」というテクニックはありますが、数をこなして感覚をつかむのが何より大切ですので、本番直前の時期には過去問や京大模試の問題を使い、本番どおりの時間制限の中で解き切る練習をたくさん積むようにしましょう。
京大医学部の科目別勉強法
この章では、京大医学部に合格するための勉強法について、科目ごとに詳しく解説していきます。
最難関である数学を始め、二次試験の対策を中心に解説していきますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
京大医学部の科目別勉強法①数学
京大数学を攻略する際に最も大切なことは、「何回も問題を解くこと」です。
1回解けただけで満足するのではなく、何度も自分の手で繰り返し解いて、解答を自分のものにしていきましょう。
実際に京大医学部に合格した人の例で言うと、教科書の範囲の履修を終えた高2の秋から同じ問題集を3~4周し、高3の春からは過去問を25年分順番に解き、さらに直前期には大手予備校などの予想問題を3回程度解くといったペースが一般的です。
また、京大数学の問題には解法が複数ある場合が非常に多いのですが、この複数の解法のそれぞれを理解できるようになることが、数学上達への近道となります。
例えば立体図形の問題があったとき、座標を置くのか、ベクトルを使うのか、それとも幾何学的に解くのか、三角関数を使うのかといった選択肢が思いつくと思います。
過去問を時間を測りながら解く場合は、一番解答に近づきやすい解法で解く形で構いませんが、答え合わせが終わったら別の解法でも解いてみましょう。
いくつもの解法で問題を解いてみることで問題の本質が分かりますし、自分の手を動かしながら解くことで、座標とベクトルの使い分けや、どんな時にどの解法が有効なのかを実感として知ることができます。
上述のオススメ参考書のうち、特に「やさしい理系数学」は別解が多く、問題を多角的に見るトレーニングに最適ですので、ぜひチャレンジしてみてください。
・同じ問題を繰り返し解く
・色々な解法で解く
・過去問に早めに取り組む
京大医学部の科目別勉強法②英語
京大英語で和訳を求められる下線部には、多くの受験生が知らないであろう専門用語が必ずと言ってよいほど含まれています。
これは、専門用語を知識として知っておくことを求めているのではなく、前後の文脈から単語の意味を類推する力を測るという出題意図によるものです。
したがって、京大英語を攻略するためには、限られた時間の中で長文の大まかな流れを理解する読解力が必要です。
読解力は、単語力・文法力の上に成り立つものですので、まずは基本的な単語と文法の定着を図るとともに、並行して長文を読むことにも慣れていく必要があります。
単語・文法の定着については、いわば暗記モノになりますので、高1からコツコツと取り組んでいきましょう。
少なくとも単語については、高校入学時点から継続的に取り組む必要があります。
文法については教科書の例文を丸暗記するとともに、類題をたくさん解いて確実に理解するようにしましょう。
長文を読む際には、文章の構造を意識しながら読むことが大切です。基本的なSVOCだけでなく、副詞節や修飾節など、どの部分がどこに掛かっているのかを意識し、メモを書き加えながら読んでいくようにしましょう。
文章構造の分析ができれば、和訳問題は8割方解けたと言っても過言ではありません。
あとは、初見の単語の意味を前後の文脈から類推し当てはめれば、100点の解答を出すことも十分に可能です。
英単語の類推を行うには、英文の構造だけでなく文章自体の意味(国語的な読解力)を鍛える必要もあります。
読解が苦手な人は、まずはパラグラフごとに何を言っているのかをメモし、文章全体の流れを掴む練習を行いましょう。
・英単語:システム英単語Basic、システム英単語
・文法:大学入試基礎英語頻出問題総演習
・構造分析:英文必修問題精講、基礎英文問題精講
・長文読解:新こだわって! 国公立二次対策問題集 英語3 英語長文読解、京大 英語25ヵ年
演習や過去問を解く際は、頭の中で日本語の意味を思い浮かべるだけでなく、必ず和訳を紙に書き出すようにしましょう。
京大英語においては、直訳ではなく自然な形で翻訳するスキルも求められます。
和文英訳については、日本語で書かれている本質的な意味を理解し、字面だけに引きずられないことが大きなポイントになります。
一般的な英作文とはかなり色合いが異なりますので、基本的には過去問を使い、英語の先生に客観的に添削してもらうという練習を繰り返しましょう。
過去問以外ではZ会が出版している「実戦編 英作文のトレーニング」がオススメです。
京大医学部の科目別勉強法③国語
国語の現代文の読解については、生まれ育ちの中で培ってきた読解センスにかなり左右されます。
もちろん解法のテクニックはありますが、「何となく読んでも意味が分かる人」と「内容が全く頭に入ってこない人」ではかなりスタートに差があるため、頑張っても点数が伸びづらいと感じる人も多いのではないでしょうか。
内容が全く頭に入ってこないタイプの人は、以下の2点から取り組みましょう。
・前提知識を身に付ける
「じっくり、深く読む」とは、文字をただ目で追うのではなく、内容を理解できるまで次に進まない、ということになります。
自分が内容を理解できているかどうか分からない場合は、段落ごとに自分の言葉で要約しながら読んでください。
かなり時間が掛かると思いますが、初めはゆっくりで良いので「きちんと理解する」ことから始めましょう。
「前提知識を身に付ける」については、現代文で頻出の西洋文化と日本文化の対比や哲学用語など、京大医学部の受験生であれば知っていて当たり前の一般常識を指します。新聞や本を読む中で自然に身に付けられる人も多いですが、こうした知識が不足していると感じる人は、現代文の重要語句集などを使って知識を補足すると良いでしょう。
京大の古文は、和歌が頻出であることが特徴です。
他大学やセンター試験ではあまり出題されない分野のため物怖じしてしまう受験生も多いのですが、代表的な掛詞や表現技法などを押さえ、冷静に対処するようにしましょう。
古文に関しては全体の流れを掴むことが大切です。
主語の省略など独特の表現が苦手に感じる人は、問題集などの本文を全訳し、どこで間違いやすいかを分析しながら、古文にありがちな表現に慣れていくようにしましょう。また、英語と同様、単語と文法は読解の基礎になりますので、高校入学時点からコツコツと取り組むようにしましょう。
京大医学部の科目別勉強法④物理
京大の物理は穴埋め形式になっています。
したがって、序盤で間違うとその後の問題も全て間違ってしまうため、確かな計算力を付けることが何よりも大切です。
また、最後に見直しするのではなく、解答を書き込む前にもう一度次元を確認するなど、「最初に解答を書く時点で間違わない」という意識を持つようにしましょう。
答えだけを書くのではなく、計算の過程や考え方をメモすることも大切です。後から見直すときに便利ですし、演習の時も自分がどこで間違えたのかがすぐに分かります。
物理の場合も数学と同様に、本質を理解することが重要です。公式を覚えて使うだけではなく、公式の意味を本質的に理解することを意識しましょう。全ての公式を自力で証明してみることで、本質が理解できているかを確認することができます。
物理は暗記する内容が少ないため、数・英・国・地理・生物といった暗記や演習量が必要な科目に比べて遅くから取り組む形で問題ありません。
高1の時は授業をしっかり聞いておき、高2になってから本格的に受験勉強を始めるようなイメージで取り組むと良いでしょう。
物理の問題集は、解説が充実しているものがオススメです。
実際の京大医学部合格者の例では、高1では物理は授業でのみ勉強、受験対策としては数・英・国を中心に取り組み、高2に入ってから物理I・II基礎問題精講で基礎問題を一通りさらった後、前述の「名問の森」を3~4周して入試の標準問題に慣れ、さらに過去問に取り組むというパターンが一般的です。
京大医学部の科目別勉強法⑤化学
化学も物理と同様、数・英・国に比べれば取り組み始めるのはやや遅めでも問題ありません。
本格的に受験勉強を始めるのは高2の春~夏頃で問題無いでしょう。ただ、物理よりは暗記を求められる部分があるので、暗記が苦手な人は暗記だけでも早めに取り組むことをおすすめします。
酸塩基反応や酸化還元反応については、化学式を丸暗記するのではなく、しっかりと意味を理解し、自分で説明できるようにしましょう。
また、Mol計算についても自分で手を動かし、本質から理解する意識を持ちましょう。
化学については問題を解くスピードが重要です。できるだけたくさんの問題に触れ、計算や頻出問題に慣れておきましょう。
・化学重要問題集:基礎~応用まで、幅広い難易度の問題が揃っている
・実力をつける化学:入試の標準問題に慣れるにはこれがオススメ
・化学Ⅰ・Ⅱの新演習:化学が得意な人向けの高難易度問題集
京大医学部の合格者の例では、高2の秋~高3の夏にかけて「化学重要問題集」と「実力をつける化学」を3~4周して解答スピードを上げ、さらに余裕のある人は「化学Ⅰ・Ⅱの新演習」でブラッシュアップするというパターンが多いようです。
化学は計算量も多くなるため、見直しの時間をしっかりと取ることが大切です。
難しい問題やボリュームの多い問題に時間を掛け過ぎず、最後の10分程度は計算の見直しに充てるようにしましょう。
京大医学部の勉強方法のまとめ
この記事では、京大医学部に合格するための勉強法について詳しく解説してきました。
改めてポイントをまとめると、以下のとおりです。
・京大医学部に合格するためには、腰を据えて物事の本質を理解するという学習姿勢が最も重要
・本質の理解は一朝一夕にできるものではなく、長い時間をかけてコツコツ取り組む覚悟が必要
・センター9割、二次6割と言えどその大半は基礎問題なので、地に足を付けた学習計画を立てることが大切
・数学:一度解いてだけで理解したつもりにならないこと。同じ問題を繰り返し解くとともに、別解でも解けるようにする。
・英語:文の構造理解が最も重要であり、その基礎となる単語と文法については高1からコツコツ取り組むこと
・国語:内容を自分の言葉で説明できるようになるまでじっくりと読み深めることが大切
・物理:ほかの科目と比べて暗記要素が少ないため、高1は授業のみ、高2から受験勉強を始める形でOK
・化学:解答のスピードを意識し、計算ミスが無いよう見直しの時間を確保する
京大医学部合格を目指して受験勉強に取り組んでいる方の中には、「たくさん勉強しているのに点数が伸びない」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
京大の問題は本質を問うものが多いため、「ある時から本質が見えるようになり、一気に点数が伸びる」という人も少なくありません。
ですが、本番までに“ある時”が迎えられず、そのまま残念な結果になってしまう人がいることも事実です。
そこで医学部受験Medical DIGでは、一人一人に合った学習方法をアトリビュート(※)の視点から分析し、できるだけ最短の方法で本質の理解に辿り着けるようサポートしてまいります。
現役の医学部生が、自らの経験を生かしながら、学習指導だけでなくモチベーション維持やメンタルケアなど、医学部受験をあらゆる面からサポートしますので、本気で医学部を目指している方は、ぜひ一度Medical DIGまでお問い合わせください。
志望校への合格を目指し、一緒に頑張りましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました。