この記事でわかること
- 医学部面接が合否を左右する理由
- 各出題形式(個別・集団・MMI)の特徴と難易度
- よく聞かれる質問と意図の読み解き方
- 良い回答例/避けたい回答例の比較ポイント
- 効果的な面接練習の方法と直前チェックリスト
医学部受験の最終関門ともいえるのが「面接」です。推薦であろうとも一般入試であろうとも、「面接」は必ず課されます。
そして、多くの受験生が「どんな質問がされるのか」「どこまで深く聞かれるのか」と不安を感じているのではないでしょうか。保護者さまからも「家庭でどんなサポートができるのでしょうか」と相談を受けることが少なくありません。
この記事では、医学部面接で見られている評価ポイント、頻出質問とその意図、良い回答例と避けたい回答例、形式別の特徴と対策、さらに実践的な面接練習の方法と直前チェックリストまで網羅的に解説します。
MEDICAL DIGは医学部専門の個別指導として、筆記試験だけでなく面接・小論文まで一貫してサポートしています。これまでの指導実績を踏まえた実践的な内容となっていますので、ぜひ最後までお読みいただけますと幸いです。
この記事はこんな方におすすめ
- 医学部面接の全体像を短時間で把握したい受験生・保護者さま
- 志望動機・時事・体験などの頻出テーマに備えたい方
- 個別/集団/MMIのそれぞれの対策のコツを知りたい方
- 練習法と直前チェックを具体化しておきたい方

・個別指導塾の経営・運営でお子様の性質・学力を深く観る指導スタイル
・yahooやSmartNews、Newspicksなどメディア向け記事も多数執筆・掲載中
▼目次
医学部では面接が合否を左右する?
大学が面接を課すのは、医師に求められる資質が学力だけでは測れないからです。
医学部受験において、面接は単なる形式的な試験ではなく「医師としての適性を最終確認する場」です。学力試験で高得点を取っても、面接で評価が低ければ不合格になるケースもあります。
医学部の面接対策の重要ポイント
では、具体的にどのように対策すれば良いのでしょうか?重要なポイントは以下のとおりです。
- 志望動機と大学選びの理由を一貫して語れるようにする
- 医療ニュースや社会問題を日頃からチェックし、自分の考えを持つ習慣をつける
- 模擬面接を繰り返し、圧迫的な質問や突発的な問いにも落ち着いて答えられる練習をする
- 個別・集団・MMIといった形式に合わせて準備する(例:個別なら深掘り回答、集団なら簡潔さと傾聴、MMIなら即興力)
つまり、医学部面接は「人柄・思考力・覚悟」を見極める試験であり、形式ごとの特徴を理解して準備した受験生ほど有利になります。保護者さまも模擬面接の相手や日常的な会話を通じて支援することで、お子さまの自信につながります。
医学部面接の形式別(個別・集団・MMI)の特徴と対策
医学部面接でよくある面接の形式は、「個別面接」「集団面接」「MMI(Multiple Mini Interview)」の3つです。
多くの大学ではこれらのいずれか、または複数を組み合わせて実施しています。それぞれの特徴と対策は、以下の通りです。
個別面接の特徴と対策
受験生1人に対して、1〜3名の面接官が質問を行う形式で、10〜20分程度が一般的です。志望動機や大学選び、医療ニュースなどを深掘りされやすい傾向があります。
► 対策ポイント
- 志望動機を体験談+将来像で一貫性を持たせる
- 「なぜ本学か?」に具体的な回答を用意する(カリキュラム・教育理念など)
- 医療ニュースを3本以上ストックし、要約+自分の意見を整理しておく
- 突発的な質問に備え、模擬面接で深掘り練習を繰り返す
集団面接の特徴と対策
2〜6名の受験生が同席し、同じ質問に順番に答える形式です。受験生同士のやり取りや態度も評価対象となります。
► 対策ポイント
- 他の受験生の発言を真剣に聞く姿勢を示す(うなずきや表情)
- 答えは簡潔にまとめる(30〜60秒が目安)
- 意見が似ている場合も「共感+自分なりの視点」を加える
- 発言順に左右されず、落ち着いて回答できるよう練習する
MMI(Multiple Mini Interview)の特徴と対策
複数のブースを順番に回り、短時間(5〜8分程度)で異なるテーマに答える形式です。医療倫理やコミュニケーション力、状況判断力などを多角的に評価されます。
► 対策ポイント
- 医療倫理のテーマ(安楽死・臓器移植・地域医療など)について自分の考えを整理しておく
- 「結論→理由→具体例→再結論」の流れで話す練習をする
- 日常的にニュースや社会問題について意見を口に出す習慣をつける
- 制限時間を意識した模擬練習で即興力を鍛える
形式別対策のまとめ
個別・集団・MMIのいずれにおいても共通しているのは、準備不足は必ず見抜かれるという点です。面接官は豊富な経験から受験生の本音や考えの深さを判断します。だからこそ、出題形式ごとに必要な力を意識した練習を積み重ねることが、面接突破の最大の近道になります。
医学部の面接は「ぶっつけ本番」では太刀打ちできません。最近では、面接試験に比重を置いている大学も増えてきています。面接練習は単に答えを覚えるのではなく、自分の考えを一貫性を持って伝える訓練として取り組むことが大切です。
医学部面接で頻出の質問と意図の読み解き
医学部面接では、どの大学でも頻出の質問があります。頻出の質問は、単なる会話の延長ではなく、大学側が「何を聞きたいのか」という明確な意図があります。
受験生がその意図を理解せずに答えると、表面的で浅い印象を与えかねません。ここでは代表的な質問と、その狙い・難易度・そして効果的な対策を解説します。
よくある質問① なぜ医師を志望しましたか
- 意図
- 動機の強さと一貫性を確認する。将来像が具体的かどうかも重視
- 出題形式
- 個別面接で必ず問われる。深掘りされやすい
- 難易度
- 高い(エピソード不足や曖昧な答えだと即座に弱さが露呈する)
►対策ポイント
- 体験談+そこから得た気づき+将来の展望を一貫させる。
よくある質問② なぜ本学を志望しましたか
- 意図
- 大学の教育方針やカリキュラムを理解しているか、安易な理由ではないかを確認
- 出題形式
- 個別面接・集団面接ともに出やすい
- 難易度
- 中程度(調べていれば答えられるが、他大学との差別化が必須)
►対策ポイント
- 早期臨床実習、研究室、地域医療プログラムなど、その大学の特徴を具体的に調べ、自分の将来像と結びつける。
よくある質問③ 医師以外の職業を考えたことはありますか
- 意図
- 医師という道をどれほど覚悟しているかを確認。
- 出題形式
- 個別面接で突発的に聞かれることが多い。
- 難易度
- 中〜高(準備不足だと動揺しやすい)。
►対策ポイント
- 他の職業に興味があっても、最終的に医師を選んだ理由を一貫して語る。
よくある質問④ 最近気になった医療ニュースは何ですか(または特定の医療分野に関する質問)
- 意図
- 医療への関心度、情報収集の習慣、社会的視点を確認
- 出題形式
- 個別面接やMMIで頻出
- 難易度
- 中程度(テーマは幅広いが、自分の考えを添えないと浅くなる)
►対策ポイント
- ニュースを要約→課題を提示→自分の意見を加える流れで整理。日頃から時事問題をチェックし、自分なりの意見を持つ。
- 小論文の対策と一体的に取り組むと効果的(参考:【医学部小論文対策】頻出6テーマで“考える力”を伸ばすワーク教材)
よくある質問⑤ チーム活動で自分が果たした役割を教えてください。
- 意図
- 協調性、問題解決力、対人スキルの有無を確認。
- 出題形式
- 集団面接やMMIで出やすい。
- 難易度
- 中程度(体験談が乏しいと答えに窮する)。
►対策ポイント
- 部活、委員会、グループ学習などの経験を整理し、葛藤→工夫→学びの流れで話せるようにする。
よくある質問⑥ 困難を乗り越えた経験を教えてください
- 意図
- 粘り強さ、工夫力、ストレス耐性を確認。
- 出題形式
- 個別面接・MMI両方で頻出。
- 難易度
- 高い(安直な答えでは信頼感につながらない)。
►対策ポイント
- 小さな体験でも構わないので、「問題点→取り組み→成果→学び」という構造で整理する。
医学部でよくある面接質問のポイント:まとめ
これらの質問はどれも「正解が一つ」というものではなく、受験生の思考過程と人柄を見抜くためのものです。難易度は一見平易に見えても、準備不足だと突っ込まれた瞬間に回答が崩れてしまいます。
だからこそ、出題形式ごとの特徴を押さえ、意図を理解した上で回答を準備することが、医学部面接を突破するための最大の対策となります。
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医学部面接での良い回答例と避けたい回答例
医学部面接での回答は「正解か不正解か」で判断されるものではありません。しかし、回答の仕方によって「意欲や覚悟が伝わる答え」になるか、「浅く不十分な印象を与える答え」になるかが大きく分かれます。ここでは代表的な質問に対して、良い回答例と避けたい回答例を比較しながら解説します。
志望動機に関する質問での回答例
◎ 良い回答例
「祖父が長期入院していた際、医師が治療だけでなく精神的な支えになっていた姿を見て強く感銘を受けました。
その経験から、人の命と心を支えられる医師を目指したいと考えるようになりました。」
→ 体験談に基づき、自分の将来像に結びつけているため説得力がある。
× 避けたい回答例
「昔から憧れていました」「親に勧められたからです」
→ 動機が弱く、一貫性や主体性に欠ける印象を与える。
大学志望理由に関する質問での回答例
◎ 良い回答例
「本学の地域医療プログラムに強く惹かれました。私は将来、地域に根ざした医療活動を志しており、早期から現場を経験できる環境が自分の成長に直結すると考えています。」
→ 大学の特徴と自分の将来像を具体的にリンクさせている。
× 避けたい回答例
「通いやすいから」「偏差値的にちょうど良かったから」
→ 調査不足の印象を与え、他大学でも言える理由になってしまう。
医療ニュースに関する質問での回答例
◎ 良い回答例
「能登半島地震で医療従事者が不足している報道を見て、災害時における医療体制の課題を強く感じました。私は将来、災害医療にも関わりたいと考えており、現場で必要とされる知識と技能を早くから身につけたいと思います。」
→ ニュースの要約に加えて、自分の考えと将来像を示している。
× 避けたい回答例
「ニュースは普段あまり見ていないので分かりません」
「医療ドラマで知りました」
→ 医療への関心不足と受け取られ、評価が下がる可能性が高い。
チーム経験や困難克服に関する質問での回答例
◎ 良い回答例
「部活動で方針を巡って意見が割れた際、自分の意見を一方的に押し通すのではなく、メンバーの意見を整理して妥協点を探りました。その結果、チームとして良い成果を出せただけでなく、協力する姿勢の大切さを学びました。」
→ 経験を具体的に語り、学びにつなげている。
× 避けたい回答例
「特にありません」「友人と意見が食い違ったことはないです」
→ 自己分析が浅いと見なされる危険がある。
医学部面接での良い回答例と避けたい回答例:まとめ
良い回答は「具体的な経験+そこからの学び+将来の姿」を結びつけており、避けたい回答は「抽象的・受け身・一貫性がない」のが特徴です。
出題形式によって求められる深さは異なりますが、難易度の高い質問ほど「準備をした受験生」と「していない受験生」で大きな差が出ます。
事前に模擬面接で練習を重ねて考えを整理し、自分の言葉で表現できるようにしておくことが大切です。
面接練習の効果的な方法
最も効果的なのは模擬面接です。学校や塾、家庭教師の先生、あるいは保護者さまを相手に練習を繰り返すことで、本番の雰囲気に慣れることができます。特に、個別面接の深掘り質問では、第三者に協力してもらうことで自分では気づきにくい弱点を明らかにすることができます。
練習の際は、単に質問に答えるだけでなく、癖や話し方の傾向にも意識を向けましょう。早口や下を向く、手遊びをしてしまうなどの癖は、録画を活用することで客観的に確認できます。表情や声のトーンを見直すことも、印象改善の大切なポイントです。
また、MMIや集団面接では想定外のテーマが出ることも多くあります。新聞記事や医療ニュースを題材に「1分で要約+意見を述べる」といった練習を繰り返すことで、即興力や整理力を鍛えることができます。
さらに、「なぜ医師でなければならないのか?」「本当にその覚悟があるのか?」といった、やや厳しい質問も想定しておくと安心です。模擬面接であえて圧迫的な質問を取り入れることで、緊張感のある場面でも冷静に答える力を養えます。
このように、模擬面接→録画→フィードバック→改善というサイクルを回すことで、回答内容だけでなく話し方そのものの質も向上していきます。伝え方の精度を磨くことが、最終的な面接突破へとつながります。
次章では、仕上がり度を客観的に確認できる合格率チェックリストをご紹介します。
医学部面接で合格できる?|仕上がり度チェックリスト
面接対策を進めていても、「どこまで仕上がっていれば十分なのか」は分かりづらいものです。
以下のチェックを通して、現時点での面接完成度を確認してみましょう。
今すぐできる!合格率チェックリスト
| 1. 志望動機と大学志望理由を一貫して説明できない → 質問によって答えが変わり、思考の軸がぶれている |
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| 2. 医療ニュースを取り上げ、自分の意見を述べる練習が不足している → ニュースを知っていても、意見や考えを言語化できていない |
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| 3. 「なぜ医師か」「困難を乗り越えた経験」など頻出質問への答えが曖昧 → 体験談や将来像とのつながりが薄く、印象に残らない |
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| 4. 個別・集団・MMIなど形式ごとの対策ができていない → それぞれの特徴を理解できておらず、回答の深さにばらつきがある |
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| 5. 模擬面接の経験が少なく、緊張や圧迫質問に対応できない → 質問内容よりも雰囲気に圧倒されてしまう |
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| 6. 姿勢・表情・声の大きさなど、第一印象の基本が不十分 → 言葉以外の要素で損をしてしまっている |
さて、みなさんはいくつ当てはまりましたか?
- 0〜2項目: 順調!この調子で練習を重ねれば、合格に必要な面接力が備わっています。
- 3〜4項目: 改善が必要!弱点を整理し、模擬面接や即興練習を追加しましょう。
- 5〜6項目: 要注意!基礎から面接対策をやり直す必要があります。短期間での集中トレーニングが不可欠です。
面接で問われているのは、単なる知識だけではなく、考えをどう整理し、どう伝えるかという力です。
特に緊張しやすい方や話すことに苦手意識がある方ほど、客観的なフィードバックを取り入れることが大切です。
チェックで当てはまった方へ
いくつも当てはまった方は、面接対策そのものを見直すタイミングかもしれません。
MEDICAL DIGでは、医学部専門の講師が本番を想定した模擬面接を実施し、質問内容・姿勢・話し方まで丁寧にアドバイスしています。
一人では気づきにくい弱点も、講師と一緒に整理することで明確になります。
無料相談や体験授業を通じて、自信を持って面接に挑めるよう準備を進めましょう。
まとめ|面接で「伝わる力」を育てよう
医学部の面接で求められているのは、完璧な答えではありません。自分の考えを整理し、相手に伝わる形で表現できる力です。
志望動機や医療観といったテーマには、模範解答よりも「その人らしさ」が重視されます。どんなに優れた経歴や成績があっても、心のこもった言葉で語れなければ、面接官の印象には残りません。
そのために必要なのは、知識の詰め込みではなく、練習と振り返りの積み重ねです。模擬面接や録画練習を通して、自分の話し方・姿勢・声のトーンを客観的に見直すことが、確実な成長につながります。
面接で合格を勝ち取る受験生は、特別な話術を持っているわけではありません。自分の言葉で一貫して語れるように、質の高い練習をしっかりと繰り返しているのです。
面接は「知識を問われる試験」ではなく、「人間性を映す場」です。自分を信じて、誠実に言葉を届けることが、最大の武器になります。
もし準備の方向性に迷っている場合は、第三者の視点でのアドバイスを取り入れるのも効果的です。MEDICAL DIGでは、受験生一人ひとりの性格や表現の癖に合わせた面接練習を行っています。
自分の言葉で語れるようになるまでのプロセスを、私たちと一緒に整えていきましょう。






