現在、日本に存在するすべての医学部において、入試の際に面接が実施されています。
面接の実施形態や配点比率は大学によって大きく異なります。
個人面接のみを行い、医師としての最低限の資質を確認する大学もあれば、面接の配点が全体の50%を占める大学もあります。
最近では個人面接・集団面接といったオーソドックスな形だけではなく、グループ討論やMMIといった新しい形の面接を取り入れる大学も増えてきました。グループ討論やMMIでは受験生たちの意表を突くような出題がされることも多く、対策に悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、医学部の面接対策、特に最も新しい面接形態である「MMI」について詳しく解説していきます。
MMI実施校の受験を検討している方だけでなく、論理的思考力を鍛えたい方や会話力を磨きたい方にもオススメの内容となっていますので、ぜひ最後までお読みいただけますと幸いです。

医学部受験の専門家
妻鹿潤
・個別指導塾の経営・運営でお子様の性質・学力を深く観る指導スタイル
・yahooやSmartNews、Newspicksなどメディア向け記事も多数執筆・掲載中
▼目次
医学部面接(個人面接・集団面接・グループ討論・MMI)の概要
医学部で実施されている面接の形態には、以下の4つがあります。
①個人面接
②集団面接
③グループ討論
④MMI(Multiple Mini Interview)
このうち最もオーソドックスなのが「①個人面接」と「②集団面接」です。
この記事をお読みの方の中には、中学受験や高校受験でこれらの形態の面接を受けたという方も多いのではないでしょうか。
大まかな傾向として、個人面接や集団面接といったオーソドックスな面接を実施している医学部では、面接の配点自体が小さい場合が多くなっています。いわゆる筆記重視(一次試験重視)の入試制度であり、よほどのことが無い限り面接によって不合格となることはありません。
これらの大学では、面接について具体的な配点が示されず、「段階評価」や「配点なし」といった記載となっている場合も多くなっています。
面接の配点比率が小さい大学では、面接に特化した対策を行うことはほとんど不要と考えて構いません。
医師や医学研究者になるために最低限のコミュニケーションが取れるかどうか、医学的な倫理観を備えているかどうかを確認することが面接の目的ですので、1~2回シミュレーションしておけば十分でしょう。
一方、「③グループ討論」や「④MMI」を実施する医学部では、面接の配点比率自体が高い傾向にあります。
また、個人面接や集団面接であっても、MMI的な出題(※)を行う医学部においては、面接重視で配点が高い傾向にあります。
これらの医学部においては、ペーパーテストで測れる能力だけでなく、思考力・判断力・コミュニケーション力といった医療現場で必要となる実践的能力を持った学生を求めていると考えられます。
医師として働く際には、患者さんの心に寄り添うための共感力や優しさが必要です。また、医療はチームで行うものですので、他の医師や看護師とのコミュニケーションも欠かせません。
こうした資質を持っているか確かめるために、それぞれの医学部はグループ討論やMMIといった形態の面接を行い、勉強以外の力を測ろうとしています。
もちろん、医師として働くためには、十分な知識を備え、新たな知見を貪欲に学び続ける姿勢も大切です。
「知識」と「コミュニケーション能力」はどちらか一方だけが優れていれば良いのではなく、その二つを兼ね備えているのが真に優秀な医師と言えるでしょう。
受験生の時点において、これら二つを完璧に兼ね備えている必要はありません。大学入学後、6年間かけてしっかりとこれらの力を磨いていけば良いのです。
受験の際には、自分の強みは「知識」なのか、「コミュニケーション能力」なのかをしっかりと自己分析し、自分に合った入試制度の医学部を選ぶようにしましょう。

医学部のMMIとは?実施校が増えている理由
MMIとはMultiple Mini Interviewの略で、端的に言えば文字通り、「多様な/短い/面接」ということになります。
医学部によって細かな実施形態は異なりますが、何かしらのシチュエーションが示され、それについてどう考え行動するかを短時間でプレゼンテーションするという形態が最もオーソドックスなパターンです。
あなたが電車に乗っていると、高齢の男性が乗車してきました。つり革をつかんでいますが、電車が揺れる度によろめいています。そこであなたはその人に席を譲ろうと声を掛けました。
すると男性は「年寄り扱いするんじゃない」と怒り、座ることを拒否しました。
このときあなたはどのように考え、行動しますか?
このように様々な答えが想定されるような質問に対し、1分程度で考えをまとめ、3分程度で面接官に説明するという形が一般的です。
当然、事前に答えを考えておくことはできず、その場でいかに考えをまとめ、相手に分かりやすく伝えられるかが試されます。受験生の本質的なコミュニケーション力を見るための試験と考えて良いでしょう。
一般的な個人面接や集団面接では、志望動機や自己PRなど、質問の内容がある程度予想できます。事前に回答の内容を考えておき、当日は用意しておいた内容をスラスラと面接官の前で述べるという受験生も多いでしょう。
このように事前に考えておいた内容を暗唱するだけの面接では、受験生の真のコミュニケーション能力や論理的思考力を測ることはできません。そこでいくつかの医学部では、MMI形式の面接を取り入れ、受験生にその場で考えさせ話させることで真のコミュニケーション力や論理的思考力を測ろうとしています。
グループ討論形式の面接もMMIと同様に、受験生のコミュニケーション力や論理的思考力を測ることができます。ですが、同じグループに全くしゃべらない人がいたり、逆に自分ばかりしゃべる人がいたりすると、そのグループの評価を正しく行うことが難しくなってしまいます。
MMIはグループ分けによって不公平が生じることもありませんし、短時間の面接を何回か繰り返すことによって「たまたま苦手なテーマが出たから上手く答えられなかった」ということも避けることができます。
これらの理由から、MMIは受験生のコミュニケーション力や論理的思考力を測るために非常に適した面接の形態であると言えます。
ただ、答えに迷うような“良問”を毎年複数作成しなければならないほか、当日必要な面接官の数も多くなります。MMIを実施するには相当のコストがかかるため、今後もMMIを実施する大学が増えていくかどうかは未知数です。
一方で、医師のコミュニケーション力不足は以前から指摘されています。
「受験勉強ばかりしていて社会経験の足りない若者がそのまま医師になってしまうと、患者さんたちが持つ多様な社会的背景や個人的な問題に理解が及ばず、適切な治療が行えない」といった声も上がっています。(参考:東大卒医師の3人に1人は医師不適格者? | 文春オンライン (bunshun.jp))
これらの指摘を受けてか、個人面接しか実施していない大学でも、これまでに無かったような変わった質問がされるケースも近年見られるようになっています。
志望動機と自己PRしか聞かれないだろうと予想していたら、「自分をアンパンマンのキャラクターで例えると誰?ばいきんまんをどう思う?」といった突拍子も無い質問がなされる可能性も十分に考えられる状況になっています。
小手先のテクニックを身に着けるだけでは、こうした意表を突く問題に対して当意即妙に答えることはできません。
会話の引き出しや瞬発力というものは、日頃から様々な年齢、性別、属性の人と対話し、自分と価値観の異なる人とも積極的に交流することで少しずつ身に着けていくことができます。
本格的なMMIを実施するほどのコストは掛けたくないけれど、ある程度のコミュニケーション力は確認したいという大学側の思いを踏まえると、「面接の形態はオーソドックスな個人面接・集団面接であるけれども、その中で捻りのある質問がされる」というパターンは今後の大きなトレンドになることが予想されます。
これから医学部面接を受ける方は、志望動機と自己PRの暗記はほどほどにし、友人や先生、親御さんと様々な対話や議論を重ねることが合格への近道になるかもしれません。
・個人面接・集団面接
-志望動機や自己PRなど質問がある程度予想できる。
-準備してきた回答を読み上げるだけの受験生もおり、本質的な力が測れない。
-近年では、個人面接・集団面接の中でMMI的な質問を行う大学も増えてきている。
・グループ討論
-テーマに対してグループで討論させる。
-コミュニケーション力や論理的思考力を測ることができる。
-グループの編成によっては力を発揮できない受験生が出てくるため、不公平感がある。
・MMI
-示されたシチュエーションに対する考えや行動を短い時間でプレゼンさせる。
-論理的思考力や表現力を測ることができ、グループ討論と違い他の受験生の影響を受けない。
-個人面接や集団面接に比べると、実施する大学側のコストが高い。

MMIを実施する医学部(東邦・藤田医科・東京慈恵医科)ごとの特徴と対策
「2.医学部のMMIとは?実施校が増えている理由」で解説したとおり、近年ではMMIであると明確には打ち出さないものの、個人面接や集団面接の中でMMI的な出題をする医学部も増えつつあります。
そのため、自分の志望校はMMI実施校ではないから対策しなくてよいと考えていると、試験本番で意表を突かれてパニックになる可能性もあります。
自分の志望校がどんな面接形態であっても、答えの無い問いが出されたときの対処方法については一定知っておいた方が良いでしょう。
MMI的な問題への対策を考える際には、これまでMMI実施校で出題されてきた質問を分析することが最も効率的です。なぜなら、大学側も「先進的な面接実施校はどんな質問をしているのか?」を参考に問題を作成しているからです。
そこでこの章では、MMI実施校として有名な東邦大学・藤田医科大学・東京慈恵会医科大学のMMI問題をそれぞれ詳しく解説していきます。
それぞれの問題は非常に個性的に見えますが、一方で答えるときの思考プロセスには一定のパターンがあります。
②何も思いつかなかったら、問題を咀嚼することから始める
この2点さえ押さえておけば、「何にも答えられず口ごもってしまった」という最悪のケースは免れることができます。
面接に苦手意識がある方にこそおすすめの内容となっていますので是非ご一読ください。
東邦大学医学部のMMIの特徴と対策
東邦大学医学部のMMIは、あるシチュエーションが記載された紙を黙読した後、その紙に書かれた内容について面接官と質疑応答するという流れになっています。
質疑応答は1回あたり約3分で、これを4回繰り返します。
東邦大学のMMIの過去問には、以下のようなものがあります。
①友人が部費を勝手に使ってしまい、そのことを黙っていてほしいと頼まれたらあなたはどうしますか?
②当大学医学部では特別養護老人ホームを訪問し、その施設の方や高齢者と交流するカリキュラムがありますが、その意義は何だと思いますか?
③コロナ禍において首都圏から地方に帰省中の妊婦が腹痛で出産の可能性がありましたが、地方病院が受け入れ拒否をした例がありました。この拒否は妥当だと考えますか、不当だと考えますか?
④外国人患者が増えることで、言語以外ではどんな問題が起こり得ると思いますか?
⑤写真(オーストラリアのピンク色の湖)を見て、色の理由と、この湖を調査するための具体的な方針について述べてください。
⑥試験期間中は遊ぶことが禁止、破ったら停学という校則があるとします。しかし、あなたは友達を誘って遊びに出かけ、そこで友達が交通事故に遭ってしまいました。先生から事情聴取を受けることになったら、どのように受け答えをしますか?
⑦海外からの留学生に日本の文化を紹介する時に、あなたなら何に気をつけますか?
東邦大学医学部MMIの最も大きな特徴は、受験生が一方的にプレゼンするのではなく、面接官との「質疑応答」の形態を取っていることです。
東邦大学医学部は、論理を組み立ててスラスラと話せる人材よりも、会話のキャッチボールがきちんと成り立つ人を求めていると考えると良いでしょう。
最初の発言ですべて説明しようとするのではなく、まずは端的に自分の考えを述べるとともに、分からないときは「分からない」と伝えることも大切です。
というのも、質疑応答の時間は約3分ですが、最初の発言ですべてを言い切ってしまうと、その後の追加の質問で答えられる内容が無くなってしまいます。東邦大学のように質疑応答で細かくやりとりをするタイプの面接では、敢えて内容を小出しにするのも重要な戦略となります。
例えば、上述の「出題例①部費の使い込みを黙ってほしいという友人」の場合、
面接官 「それでは友情に亀裂が入ってしまうのではありませんか?」
受験生 「いえ、私は友人として敢えて注意します」
面接官 「それはどのような意図ですか?」
受験生 「部費の使い込みを黙っていたら、友人が『嘘をついても大丈夫』という考えになってしまうかもしれません。私は彼に嘘つきになってほしくありません」
面接官 「それはあなたのエゴではないですか?」
受験生 「そうかもしれませんが…友人が嘘をつく人になって、どんどん周りから人がいなくなっていく様を見るのは辛いです。エゴであっても、友人のためにもなると思います」
といったように、やり取りが続いていくことが理想です。
逆に、最初の回答で「私は『黙っていることはできない』とはっきりと伝えます。なぜなら友人に…」と続けてしまうと、その後のやりとりで答える内容が無くなってしまいます。
また、東邦大学が測りたいと思っているのは会話のキャッチボール力であると考えられますので、一方的に話してしまうとそもそも採点ができず点が伸びない可能性もあります。
東邦大学医学部の受験生で、すべての質問に「わかりません」と答えて面接官の失笑を買ったものの、無事に合格した人がいるという逸話があります。
素直に分からないと言える点が評価されたのかもしれませんが、東邦大学医学部で求められているのは、品行方正でテキパキと論理的に考え発表できる力よりも、素直にコミュニケーションが取れるかどうかであるとも考えられます。
出題例⑤に関してはその最たるもので、オーストラリアのピンクの湖(ヒアリー湖)について知識があるかどうかや水質調査の手法を知っているかどうかを問う問題ではありません。
「すごく印象的な写真ですね。でも、調べ方はパッと思いつきません」から会話を始めてもおそらく大丈夫です。「そうですね。では、あなたは何が理由だと予想しますか?」など、面接官が適宜会話を返してくれるはずです。
東邦大学医学部のMMIで試されているのは、一言でいえば「会話力」です。日頃の生活の中でも、自分だけが話すのではなく、相手の話をしっかりと聞き、適切に会話のボールを返すことから始めましょう。
なお、東邦大学ではMMIに加えてグループ討論も実施されます。
こちらは討論の結果を面接官に報告するという少し変わった形式(ワークショップ形式)になっていますが、MMIと同様、周りの意見にしっかり耳を傾けながら発言することを心掛けましょう。

藤田医科大学医学部のMMIの特徴と対策
藤田医科大学医学部のMMIは、最もオーソドックスなMMIの形態と言ってよいかもしれません。
面接室に入ると机の上に紙が1枚置かれており、そこにはあるシチュエーションが文章で記載されています。
面接官からその紙を1分間で黙読するよう指示され、その後5分間で自分の考えを述べます。藤田医科大学では、これを4回繰り返します。
東邦大学との一番の違いは、質疑応答ではなくプレゼンテーション形式であることです。また、持ち時間は5分とやや長く、ただ自分の意見や感想を述べただけでは時間が余ってしまいます。
こうした時間が余りがちなプレゼンテーションでは、自分の意見だけでなく対立する意見について述べることが大きなポイントになります。
例えば、藤田医科大学のMMIの有名な問題に「コーヒー問題」があります。
あなたは飲食店でアルバイトをしています。汗だくのお客さんがやってきて「コーラを一つ」と注文しました。そこでコーラを持っていくと「私が頼んだのはコーヒーだ」と言われました。
さて、あなたはどう行動しますか?
一般的に考えられる答えは「客の言うとおりコーヒーを持っていく」でしょう。
「あなたが注文したのはコーラのはずだ」と伝えて、お客さんと揉めてでもコーラを渡すという回答をする受験生はほぼいないと思います。
ですが、「コーヒーを持っていきます」と言うだけでは5分もプレゼンできません。では、何を話せばよいのでしょうか?
「これが正解だ」というものはありませんが、方向性としては以下の2つがオススメです。
②行動を細分化して説明する
①に関しては、「なぜ『あなたはコーラを頼みましたよ』と言わずにコーヒーに変えてあげるという選択肢を取ったのか」を説明するという方向になります。
・周りの客の目があるから
・自分の思い込みや聞き間違いの可能性があるから
などいろいろな理由が挙げられると思います。
それぞれを詳しく説明していくと、かなりの時間が稼げるはずです。
「②行動を細分化して説明する」については、ただコーヒーを持っていくというのではなく、
・コーラと言っていたはずだと客に伝えるかどうか
・こちらが間違えたことにして謝るかどうか
などのいくつかの細かい分岐について説明するというものです。
その際には結論だけを説明するのではなく、「なぜ店長に相談するのか/しないのか」など理由も含めて話すと良いでしょう。
どちらの方向性を取るにしても、ポイントは「冗長にならないようにすること」です。1人で話し続けるには5分という時間は意外と長く、自分でも何を話しているのかわからなくなってしまいがちです。
例えば「私はコーヒーをすぐに持っていきます。その理由は3つあります」というように、話しながら同時に論の流れを整理していくと、相手にとっても自分にとってもわかりやすい話し方になっていきます。
とはいえ、話しながら論を整理するというのは高度なテクニックであり、マルチタスクが苦手な人にとってはかなり難易度が高いものとなります。
それでも5分以上の長いプレゼンを課すような大学を受験したいという方は、何度も練習し、しっかりとプレゼン力を鍛えるようにしましょう。

東京慈恵会医科大学医学部のMMIの特徴と対策
東京慈恵会医科大学医学部のMMIは、東邦大学・藤田医科大学と比べると最も難易度が高く、受験生にとってハードな内容となっています。
7分×5タームというかなりボリュームのあるものとなっており、うち1回は個人面接(いわゆる志望動機や自己PRを聞かれるもの)ですが、残りの4回は医学的な知識を要する出題も多く、質問自体の難易度も高くなっています。
ただし、藤田医科大学のようなプレゼンテーション形式ではなく、東邦大学と同じ質疑応答形式となっています。
その分、面接官から突っ込んだ質問を受けることもあり、途中で論理が破綻してしまったり、話題が尽きてしまったりといったケースも考えられます。
例えば東京慈恵会医科大学では、以前、以下のような問題が出題されました。
A医師が担当していた患者は延命治療を拒否していたが、病院側はそれを認めず患者の意に沿わない形で延命治療が続いていた。ある時、清掃員が足を引っ掛けて延命装置のケーブルが抜けてしまった。A医師はあえて装置のケーブルを繋ぎなおさず、患者は亡くなった。
A医師の対応をどう思うか」
望まない延命治療の問題は非常にセンシティブであるため、A医師の対応については全面的に賛成/反対するのではなく、両論を踏まえた回答とすることが必須です。
しかしながら医学倫理に関する知識に乏しいと、どちらかに偏った主張しかできず、「倫理観に問題あり」と評価されてしまう可能性があります。
延命治療のほかにも、妊娠中絶や出生前診断、トリアージなど生命倫理に関する問題については「どちらとも言えない」という大前提に立って回答しなければなりません。
受験生の皆さんは、日々、試験問題という“答えのある問い”に向き合っていることと思います。
一方で、実社会においては“答えのない問い”の方がむしろ多く、とりわけ医療や生命倫理に関しては答えが出せない、出すべきではないという問題まで存在しています。
東京慈恵会医科大学はMMIについて「特別な知識は必要無い」とアナウンスしていますが、裏を返せば、延命治療など生命倫理に関する問題については、“特別な知識”ではなく当たり前のこととして受験生たちに知っておいてほしいという大学からのメッセージなのかもしれません。
医学部を目指している皆さんには、医師として働く際にはこのように答えの無い問いに直面することを想定して、日々しっかりとアンテナを張って過ごしていただきたいと思います。

医学部のMMI面接の対策、まとめ
この記事では、医学部入試の面接、特にMMIについて詳しく解説してきました。
改めてポイントをまとめると以下のとおりです。
・日本に存在する全ての医学部は、入試の際に面接を実施している
・面接の形態には、個人面接・集団面接・グループ討論・MMIの4つがある
・面接重視の医学部であるほど、面接の内容も複雑で先進的な傾向にある
・MMIとはMultiple Mini Interviewの略で、短い質疑応答やプレゼンを複数回行う面接の形態のこと
・MMI実施校として有名なのは東邦大学・東京慈恵会医科大学・藤田医科大学
・近年ではMMI実施校以外でも、面接の中で答えの無い問題や受験生の意表を突く問題が出題されるケースが増えている
・大学が重視している力は何かを見極め、自分にあった試験形態の学校を選ぶことが大切
良い医師になるためには、答えのある問いに対して確実に正しく答える正確性と、答えの無い問いに対して誠実に向き合い続ける人間性の両方が必要です。
知識偏重型の受験システムに異が唱えられつつある昨今の状況において、MMIが注目されているのは当然の流れと言えるでしょう。
受験生の皆さんには、試験問題の流行り廃りに流されず、その試験で何が測られているのか、大学がどんな人材を求めているのかといった本質を見極め、ご自身の力を着実に磨いていただきたいと思います。
医学部専門個別指導MEDICAL DIGでは、京都大学医学部を始めとする現役の医学部生たちが、共通テストから二次試験・面接対策まで、徹底的にサポートいたします。
自身の合格経験とMEDICAL DIG独自のアトリビュート分析によって一人一人の特性を見極めることで個別最適化された学習計画を提案し、合格へと導きます。
学びに向かう力や自己肯定感など、学力の背景にあるその人の特性や資質のこと。
MEDICAL DIGでは、心理学や統計学を取り入れた独自のシステムにより、その人のアトリビュートを徹底的に分析し、個々の特性に応じた学習方針を提案します。
勉強しているのになかなか成績が伸びない方や、自分に合った勉強方法を見つけたいと考えている方は、ぜひ一度MEDICAL DIGまでお問い合わせください。
また、授業や面談はオンラインで、初回無料で承っています。
現在通っている塾や予備校と並行してサポートを受けたい方や、お近くに医学部専門塾が無くお困りの方など様々なニーズにお応えしますので、お気軽にご相談ください。
志望校への合格を目指し、一緒に頑張りましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました。