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私立医学部の学費を教育ローンで補うには|審査・限度額・本人払いなどを比較

私立医学部の学費を教育ローンで補うには|審査・限度額・本人払いなどを比較

私立大学医学部の学費は非常に高額です。

国公立大学の医学部では6年間の学費が約350万円であるのに対し、私立大学の場合は約2,000~4,000万円の学費が必要です。

ですので、一般的なご家庭では、私立大学医学部の学費を負担するのが厳しいという場合もあるかもしれません。

そこでこの記事では、医学部の学費を支払うための「教育ローン」について詳しく解説していきます。

経済的な事情で私立医学部受験を諦めている方も、教育ローンや奨学金、特待制度などを活用することで選択肢を広げることが可能ですので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。

【執筆・監修】
医学部受験の専門家 
妻鹿潤
・16年以上1500名以上の指導実績あり
・個別指導塾の経営・運営でお子様の性質・学力を深く観る指導スタイル
・yahooやSmartNews、Newspicksなどメディア向け記事も多数執筆・掲載中

▼目次

教育ローンとは|私立医学部受験・審査・限度額などの比較

教育ローンとは|私立医学部受験・審査・限度額などの比較

教育ローンとは、大学の入学金や学費など、教育関係に使途を限定されたローンのことです。

使途が限定されている「目的型ローン」であることから、一般的なローンよりも低金利で借り入れることができます。また、在学中は元金据え置き(利息のみの返済)であるなど、より借り入れやすい制度となっている場合が多いです。

さらに医学部に進学する場合は、借入金額の上限額が他学部よりも高く設定されていることもあります。

〔引用〕
医学部などの6年制大学の場合、最大1,000万円、最長16年までOK!
6年制大学なら、さらにゆとりのプランもご用意!
「初年度に500万円以上かかるのですが・・・」
といったお客さまの声にお応えして、医学部などの6年制大学に就学される方向けの教育ローンをご用意しております。
金利はそのままに、最大1,000万円、最長16年までご利用いただけます。
(引用元:ネットDE教育ローン | 三菱UFJ銀行 (mufg.jp)

なお、学費の支払いにおいては、教育ローンのほかに「奨学金」という選択肢もあります。

教育ローンと奨学金の大きな違いは、返済責任が保護者にあるか学生本人にあるかという点です。

教育ローンの返済責任を担うのは保護者ですが、奨学金は学生本人が返済責任を負います。

<教育ローンと奨学金の違い>

  • 教育ローン →保護者が借入・返済
  • 奨学金 →学生本人が借入・返済

教育ローンと奨学金は併用することができますので、学費に困っている場合は保護者と学生本人がそれぞれ借り入れを行うことで、さらに多くの資金を確保することができます。

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教育ローンのメリットとデメリット|私立医学部受験・審査・限度額などの比較

教育ローンのメリットとデメリット|私立医学部受験・審査・限度額などの比較

教育ローンを借り入れる場合には、メリットとデメリットの両方をよく吟味する必要があります。一般的なローンと同様、しっかりと返済の計画を立てるとともに、利息などについても十分に調べるようにしましょう。

【私立医学部受験】教育ローンのメリット

教育ローンのメリットには、以下の 3点が挙げられます。

<教育ローンのメリット>

  1. 学費や入学金が高い大学も選択肢とすることができる
  2. 医師として就職できれば、返済できる可能性が高い
  3. 奨学金や特待制度の対象外であったり、それだけでは資金が不足したりする場合に利用できる

教育ローンのメリット①学費が高い大学も選択肢とすることができる

教育ローンのメリット①学費が高い大学も選択肢とすることができる

教育ローンのメリットは、何と言っても「学費や入学金が高い大学も選択肢とすることができる」という点です。

特に私立医学部の場合は、入学時点で400万円程度の一括納入が必要なこともあります。

<入学時納入金の例>

奨学金は毎月の貸与であり、入学時にまとめて受け取ることができません。

ですので、入学時にまとまったお金を用意するのが難しいという方にとっては、教育ローンは非常に役に立つ制度となっています。

教育ローンのメリット②医師として就職できれば、返済できる可能性が高い

教育ローンのメリット②医師として就職できれば、返済できる可能性が高い

お金を借り入れることに抵抗を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、医学部に合格し、無事卒業して医師として就職することができれば、一般的な職業よりも高い収入を期待することができます。

医学部に合格できる学力と「医師として働きたい」という強い意志を持っている方の中には、経済的な事情から医学部への進学をためらっている方もいらっしゃると思います。

ですが、きちんと就職してローンを返済できる目途が立つのであれば、資金を借り入れながら医学部に進学することも選択肢の一つになりますので、ぜひ検討していただければと思います。

教育ローンのメリット③奨学金や特待制度の対象外であったり、それだけでは資金が不足したりする場合に利用できる

教育ローンのメリット③奨学金や特待制度の対象外であったり、それだけでは資金が不足したりする場合に利用できる

日本学生支援機構の奨学金や、各大学の給付金・奨学金・特待制度など、教育ローン以外にも融資や給付を受ける方法はあります。

教育ローンと比べると、各種奨学金は利率も低いため、まずはこれらを優先して利用すると良いでしょう。

一方で、奨学金や特待制度は、学業成績や世帯の収入について厳しい制限が設けられている場合が多いです。そのため、これらの制度を使いたくても対象外であるため使えないという方もいらっしゃいます。

教育ローンは、奨学金や特待制度に比べると要件が緩い場合が多いため、奨学金や特待制度が使えない方は教育ローンの利用を検討すると良いでしょう。

加えて、教育ローンは各種奨学金や特待制度と併用が可能です。

私立医学部の学費は高額であるため、奨学金だけでは学費をカバーしきれないケースがあるかもしれません。その場合は、教育ローンとの併用を検討すると良いでしょう。

【私立医学部受験】教育ローンのデメリット

【私立医学部受験】教育ローンのデメリット

教育ローンのデメリットには、以下の4点が挙げられます。

<教育ローンのデメリット>

  1. 金利が高い
  2. 奨学金や特待制度、修学支援新制度で事足りる場合がある
  3. 一浪して国立に進学した方が安く済む場合がある
  4. 卒業後医師にならなかった場合の返済の負担が大きい

教育ローンのデメリット①金利が高い

教育ローンは、年利2.25~4.6%程度と一般的なローンよりは金利は低いものの、日本学生支援機構による奨学金などと比べると割高です。

また、親戚や知人などから教育資金を借りられる場合は、金額や借入期間の融通もききやすく、教育ローンよりも返済の負担が少なくて済みます。

ですので、奨学金や特待制度、親戚や知人からの借り入れが可能な場合は、教育ローンではなくそちらを優先して利用するようにしましょう。

教育ローンのデメリット②奨学金や特待制度、修学支援新制度で事足りる場合がある

日本学生支援機構の奨学金以外にも、各大学独自の奨学金や給付金、特待制度などが設けられている場合があります。

また、2023年4月からは「修学支援新制度」が導入されました。(修学支援新制度については「4-3.教育ローンを利用する際の4つの注意点③修学支援新制度を検討する」で詳しく解説)

特に非課税世帯やそれに準じる世帯である場合は、これらの制度を組み合わせることで、かなりの額の授業料等の減免と給付・貸与を受けることができます。

結果として教育ローンを借りなくても済んだり、最小限の額を借りるだけで事足りたりする場合があります。

教育ローンは他の制度と比べると金利が高いため、様々な制度についてしっかりと調べた上で利用することが大切です。

教育ローンのデメリット③一浪して国立に進学した方が安く済む場合がある

医学部の6年間の学費は、国公立大学の場合は約350万円であるのに対し、私立医学部の場合は2,000~4,000万円とおよそ6~10倍の差があります。

ですので、一浪すれば国公立大学に進学できる見込みがあるのであれば、予備校に通う費用などを併せても、結果的には浪人した方が安く済むという場合も大いに考えられます。

例えば、個別指導の医学部専門予備校の場合、年間の授業料は350~600万円程度です。また、集団指導の医学部専門予備校の場合は、授業料はさらに安く80~150万円程度で済みます。

もちろん、どうしても入りたい私立医学部がある場合は、学費を教育ローンで賄うことも選択肢の一つですが、大学にそれほどこだわりが無く、国公立に合格できそうな見込みがある場合は、トータルの費用を考えて一浪することも選択肢となり得ます。

教育ローンのデメリット④卒業後医師にならなかった場合の返済の負担が大きい

医学部に合格できたからと言って、すぐに医師になれるわけではありません。

医師免許を取得するために、大学に入ってからも6年間しっかりと学び続ける必要がありますし、医師になってからも最初の数年間は研修医として修練を積まなければなりません。

医師免許を取るための勉強もハードですし、医師としての労働環境も決して生易しいものではありません。

医師になるという強い覚悟が無いと、わざわざ教育ローンを利用したのに、結局医師になれず返済にも苦労してしまう場合があります。

ですので、教育ローンを利用する際には、医師になるために6年間しっかりと勉強し、さらに医師として働く覚悟があるかどうかを今一度確認することが大切です。

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教育ローンの種類|私立医学部受験・審査・限度額などの比較

教育ローンの種類|私立医学部受験・審査・限度額などの比較

教育ローンには、3つの種類があります。

<教育ローンの種類>
日本政策金融公庫 …いわゆる国のローン。低金利で審査も通りやすいが、上限金額が低い。
労働金庫 …金利は高いものの、上限金額が高く審査も通りやすい。国と民間の中間のような性質のローン。
民間銀行 …国や労金に比べると上限額が高いのが特徴。審査は厳しめの傾向にある。

それぞれの金利や上限額、返済期間をまとめると下表のとおりになります。

<教育ローンの種類>
<教育ローンの種類>

以下では、3つの教育ローンについて詳しく解説していきます。

【私立医学部受験】日本政策金融公庫による学資ローン(国の教育ローン)

【私立医学部受験】日本政策金融公庫による学資ローン(国の教育ローン)

日本政策金融公庫による学資ローンとは、いわゆる国の教育ローンのことで、金利が2.25%と他の教育ローンと比べて低いことが特徴となっています。

また、上限額は350万円と低いものの、返済期間が最大15年と長いことに加えて、審査も通りやすいため、教育ローンを検討する際にはまず優先して利用すべきローンとなっています。

さらに、在学中は元金据え置き(利息のみの支払いで可)であるなど、非常に借りやすい制度となっています。

ただし、日本政策金融公庫による学資ローンには世帯年収の上限額が定められており、上限額を越える世帯収入がある場合は融資を受けることができないため注意が必要です。

<世帯年収の上限額>
<世帯年収の上限額>

進学先や学業成績といった世帯収入以外の要件は設けられていないため、融資の対象となる場合は積極的に利用を検討すると良いでしょう。

連帯保証人は必要ですが、見つからない場合は(公財)教育資金融資保証基金の補償制度を利用することができます。

なお、審査は通りやすいものの、他のローンと比べると審査期間が長く、早めの申し込みが必要です。余裕を持って資金が準備できるよう、資金が必要になる時期の2~3か月前には申し込むようにしましょう。

また、融資の要件や金利は変更される場合がありますので、最新の情報については日本政策金融金庫のホームページ(教育一般貸付(国の教育ローン)|日本政策金融公庫 (jfc.go.jp))でご確認ください。

【私立医学部受験】労働金庫による教育ローン(ろうきんローン)

【私立医学部受験】労働金庫による教育ローン(ろうきんローン)

労働金庫は福祉金融機関であることから、国と民間銀行の中間のような性質の教育ローンとなっています。

労働金庫は全国で13あり、教育ローンの金利や限度額はそれぞれ異なります。

例えば、関東エリアを所管する中央労働金庫の上限額は2,000万円(貸付証書型の場合)ですが、北海道を所管する北海道労働金庫の上限額は1,000万円です。

返済期間も各労働金庫によって異なりますが、最長15年と民間銀行の教育ローンに比べると長いことも特徴です。また、国の教育ローンと同様に、在学中は元金据え置きである場合も多くなっています。

労働金庫の教育ローンを検討する場合は、お住まいの地域の労働金庫のホームページなどで貸付要件を確認するようにしましょう。

なお、労働金庫による教育ローンを利用するに当たって、労働金庫の出資団体(労働組合や生活協同組合)の構成員である必要は無く、利用条件は、「20歳以上であること」「勤続1年以上であること」など、ごく一般的なものとなっています。

ただし、各労働金庫の会員であったり、生活協同組合に加入していたりする場合は、加入していない場合よりも金利が安くなったり、変動金利型が選択できるようになったりするなどの優遇措置が受けられる場合があります。

加えて、保証料を労働金庫が負担する制度を導入している労働金庫もあります。この場合、保証人が不要になるほか、受取金額が減額されることもありません。

注意点として、「労働金庫の固定金利は返済期間が長いほど高くなる」ということが挙げられます。

通常は変動金利よりも固定金利の方が返済計画が立てやすいとされていますが、労働金庫の教育ローンに関しては返済期間と金利をきちんと比較し、「固定金利か変動金利か」「返済期間は何年にするか」について慎重に検討するようにしましょう。

なお、各労働金庫の教育ローンの最新情報については、各労働金庫のホームページ(全国のろうきん一覧|全国労働金庫協会(ろうきん協会) (rokin.or.jp))でご確認ください。

【私立医学部受験】民間銀行による教育ローン

【私立医学部受験】民間銀行による教育ローン

民間銀行による教育ローンは、国の教育ローンやろうきんの教育ローンに比べて上限額が高い傾向にあります(3,000万円程度)。

一方で、奨学金や国の教育ローンに比べると金利は高め(2.4~4.6%程度)で、さらに審査も厳しい傾向にあります。

まずは日本学生支援機構の奨学金や、各大学独自の奨学金・給付金・特待制度、国の教育ローン、労働金庫の教育ローンを優先的に利用し、それでも資金が足りない場合に民間銀行の教育ローンを検討するようにしましょう。

<教育資金を借り入れる際の優先順位>
① 日本学生支援機構の奨学金、各大学独自の奨学金・給付金・特待制度
② 日本政策金融公庫による学資ローン(国の教育ローン)
③ 労働金庫による教育ローン(ろうきんローン)
④ 民間銀行による教育ローン

一例として、千葉銀行が実施する「スーパー教育ローン」では、医学部生向けの教育ローンの金利が最大2.6%と非常に低く抑えられています。上限額は3,000万円であり、首都圏の私立医学部を目指す方に対する支援の実績が豊富です。

<千葉銀行の支援実績(医学部・歯学部)>
聖マリアンナ医科大学、順天堂大学医学部、北里大学医学部、獨協医科大学医学部、東京医科大学、千葉大学医学部、慶応義塾大学医学部、昭和大学歯学部等
(参考:医学部・歯学部向け|スーパー教育ローン|千葉銀行 (chibabank.co.jp)

ただし、対象は千葉県、東京都、茨城県、埼玉県、神奈川県(横浜市、川崎市)に在住しているか、これらのエリアにある大学に進学する場合のみとなっています。

地方銀行の中には、千葉銀行と同様に、事業エリアに在住又は進学する学生を対象とした教育ローンを実施している銀行もあります。

地方銀行の教育ローンは、大手銀行よりも金利が低かったり、審査が厳しくなかったりする場合もありますので、民間銀行の教育ローンを検討する場合は、まずはお住まいの地域の地方銀行の教育ローンから検討すると良いでしょう。

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教育ローンを利用する際の4つの注意点|私立医学部受験・審査・限度額などの比較

教育ローンを利用する際に注意すべき点は、以下の4つです。

<教育ローンの注意点>

  1. 借入額と返済計画をしっかりと検討する
  2. 奨学金や特待制度と併用する
  3. 修学支援新制度を検討する
  4. 固定金利・変動金利を確認する

それぞれについて、以下で詳しく解説していきます。

教育ローンを利用する際の4つの注意点①借入額と返済計画をしっかりと検討する

教育ローンを利用する際の4つの注意点①借入額と返済計画をしっかりと検討する

教育ローンに限らず、ローンを組むときに最も大切なのが、借入額と返済計画をきちんと検討することです。

当然ながら、お金を借りると必ず利子が掛かるため、借りる額は最小限に留めることが大切です。

一方で、医学部に進学する場合は、「国家試験の勉強をしなければならない」「4年生後期から実習が始まる」などの理由でアルバイトができなくなり、想定以上に仕送りが必要になってしまうなどのケースも考えられます。

借入額を最小限に留めることは意識しつつも、想定以上に費用がかさむことも踏まえて慎重に必要額を検討していきましょう。

また、返済計画を立てることも非常に大切です。

医学部6年間の費用を借り入れる場合、借入総額はかなりの金額になります。何年かけて返済するのか、月々の支払いはいくらになるのかなどを具体的に計算し、卒業後や就職後の生活水準なども含めてしっかりとイメージしておきましょう。

教育ローンを利用する際の4つの注意点②奨学金や特待制度と併用する

教育ローンを利用する際の4つの注意点②奨学金や特待制度と併用する

教育ローンの金利は、一般的なローンと比べれば低いものの、日本学生支援機構の奨学金に比べれば相応に高いものとなっています。

また、大学によっては独自の奨学金や給付金、特待制度を設けている場合もあります。返還不要の奨学金が受けられる場合もありますので、教育ローンの前に、まずは奨学金や給付金、特待制度について調べるようにしましょう。

この他にも、自治体が奨学金や給付金の制度を設けている場合もあります。ただし、自治体の奨学金・給付金については、「一定年数、県内で医師として勤務すること」など、地域枠(※)に準ずるような要件が設けられている場合もありますので、制度の詳細についてしっかりと確認することが大切です。

※医学部の地域枠入試…指定された地域(医師不足のへき地や離島など)で医師として将来働くことを条件に、一般入試とは別の枠で受験したり、奨学金などを受けられたりする制度のこと。
【一覧あり】医学部地域枠とは?定員割れしている国立・私立大学はある?入りやすさや偏差値も解説!
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教育ローンを利用する際の4つの注意点③修学支援新制度を検討する

修学支援新制度は2023年4月から導入された比較的新しい制度で、主に低所得世帯を対象とした高等教育への修学支援制度となっています。

例えば、私立大学に自宅以外から通う場合、授業料が約70万円、入学金が約26万円、合計で年間最大91万円の給付を受けることができます

ただし、対象は住民税非課税世帯かそれに準ずる世帯ですので、該当しない方も多いかもしれません。自分の世帯が支援の対象となるかどうか、念のため確認しておくと良いでしょう。(参考:学びたい気持ちを応援します 高等教育の修学支援新制度:文部科学省 (mext.go.jp)

<支援を受けられる年収の目安と支援額>
<支援を受けられる年収の目安と支援額>

教育ローンを利用する際の4つの注意点④固定金利・変動金利を確認する

教育ローンを利用する際の4つの注意点④固定金利・変動金利を確認する

ローンの金利には、「固定金利」と「変動金利」の2種類があります。

「固定金利」は、ローンを借り入れる際の金利がそのまま固定されるため、月々の返済額が変わりません。

変動金利に比べると金利は高い場合が多いですが、返済の計画が立てやすく、また、長期で借りる場合のリスクが少ないというメリットがあります。

「変動金利」は、定期的に金利が見直され、返済中に変動します。

固定金利よりも金利は低く設定されている場合が多いですが、市場の変動に伴って返済額が変動するというリスクがあります。

短期間で返済できる場合は変動金利の方がメリットが大きく、長期間かけて返済する場合は固定金利の方がリスクが低いためメリットが大きいとされています。

医学部の教育ローンの場合は、10~15年掛けて返済するケースが多いため、固定金利の方が適していると考えられます。

ただし、ろうきんのローンのように返済期間が長いと金利が高くなるタイプのローンもありますので、それぞれの制度に合わせて慎重に検討するようにしましょう。

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【私立医学部受験】このままで合格できるか心配な方へ|簡単合格率チェック

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医学部を目指す受験生や保護者さまの中には、「今のペースで勉強していて、合格できるのだろうか…?」と不安を感じている方もいらっしゃると思います。

浪人すればその分だけ費用も掛かるため、確実に合格したいと考えている方も多いのではないでしょうか。

そこで、今の自分の勉強方法が合っているのか、このままのペースで合格できるのかを気軽に確認できる「合格可能性チェックリスト|医学部編」を作成しました。

今のままで合格できるかどうか心配な方は、以下の「合格可能性チェックリスト|医学部編」をぜひお試しください。

<合格可能性チェックリスト|医学部編>

  1. 1日の勉強時間が平均6時間未満である
  2. 1日にスマホを1時間以上触っている
  3.  間違えた問題を見直す習慣が無い
  4.  標準レベルの問題でも失点することがある
  5. 今の自分のレベルに合った問題がどんなものか分からない
  6. 時間を掛けて勉強しているのに点数が伸びない
  7. 苦手科目を重点的に勉強しているのに効果が現れない
  8. 「基礎から固めるのが大切」というが、具体的にどうすれば良いのかわからない
  9. 受験までの残り時間から逆算して計画を立てることができていない
  10. 次々に新しい参考書や問題集を買ってしまう
〔当てはまる項目数〕
○ 0項目
順調に受験勉強が進められています!このままのペースで頑張りましょう。
○ 1~2項目
良いペースですが、もう少し勉強の効率を上げることができそうです。
○ 3~5項目以上
改善の余地がかなりあります。まずは1日のスケジュールから見直しましょう。
○ 6項目以上
かなり合格の可能性は低いです。本当に医学部に進学したいのか、今一度じっくり考えましょう。

チェックリストで3項目以上に当てはまった人は、まだまだ勉強方法やスケジュールに改善の余地があると考えられます。

また、それぞれのチェック項目から、「今の自分に不足している力」を見つけることができます。

例えば、チェック項目①②に当てはまる人は、「やり抜く力」が不足していると考えられます。

「やり抜く力」とは、自分でルールを決め、そのルールに則って行動する能力のことです。

受験においては、「毎日○時間勉強する」のようにコツコツと努力を積み重ねることが非常に大切です。

やり抜く力が不足していると、ついついダラダラしてしまったり、「今日くらいサボってもいいや」と課題を後回しにしたりしてしまいます。

そのため、勉強の量が不足することが多く、思ったように学力が伸びていきません。

やり抜く力が不足していると感じる人は、勉強に対する姿勢を今一度見直し、自分を律しながら受験勉強に挑むようにしましょう。

他にも、チェック項目「⑩次々に新しい参考書や問題集を買ってしまう」に当てはまる人は、「目的思考力」が不足していると考えられます。

というのも、参考書や問題集を買うことは目的ではなく、そこに載っている問題を解くことが本来の目的です。にも関わらず、「参考書や問題集を買う」という目的以外の行動に時間を費やしてしまっているのは、「目的思考力」が不足しているためと考えられます。

「目的思考力」は医学部受験において非常に大切です。

なぜなら、“合格するために今何をすべきか”を考え行動することが、効率よく学習を進めることにつながるからです。

やみくもに問題を解くのではなく、「なぜこの問題を解くのか」という目的意識を持つことで、漫然とただ問題量をこなすという勉強方法から一段ステップアップすることができます。

さらに、「目的思考力」は個々の問題を解く際にも重要です。

問題文を読んだときに、「この問題で問われていることは何か」「問題作成者の意図は何か」というように、その問題の“目的”が考えられるようになると、解法の糸口も見つけやすくなります。

「たくさん勉強しているのに、なかなか学力が上がらない」
「毎日勉強を頑張りたいのに、ついついサボってしまう」

といった方は、「やり抜く力」や「目的思考力」などの“非認知能力”に課題があるのかもしれません。

非認知能力とは、学力や知能指数のようにテストで測ることのできない能力のことで、学力の向上にも大きな影響を与えるものとして、近年注目されています。(参考:平成30年度埼玉県学力・学習状況調査データ活用事業における分析結果概要(統計分析) (saitama.lg.jp)

上述のチェックリストでは、①②や⑩以外も「挑戦」「解像度」などの非認知能力に対応しており、MEDICAL DIGの非認知能力診断を受けていただくことで、ご自身の非認知能力の強みと課題をさらに詳しく分析することができます。

まずは無料相談で現在のお悩みや課題を詳しくお伺いし、その際に併せて「非認知能力診断(30分程度)」を実施します(非認知能力診断も無料で実施させていただきます)。

そして、生徒さまの非認知能力の強みと課題を分析し、より詳細なデータを元に進路指導や授業内容の検討、カリキュラム作成などを行ってまいります。

色々な塾や予備校を試したのに学力が伸びなかった方や、たくさん勉強しているのにテストの点数が上がらないといった「伸び悩み」の問題を抱えている方は、ぜひ一度非認知能力に特化したMEDICAL DIGのサービスをお試しください。

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私立医学部の学費を教育ローンで補う方法のまとめ

私立医学部の学費を教育ローンで補う方法のまとめ

この記事では、医学部受験における教育ローンの利用方法やメリット・デメリットなどについて詳しく解説してきました。改めてポイントをまとめると、以下のとおりです。

<POINT>

  • 私立大学医学部の学費は高額であるが、奨学金や教育ローンで資金をまかなうことができる
  • 教育ローンの金利は一般的なローンと比較すると低いが、奨学金と比べるとやや高い
  • 教育ローンには「国のローン」「ろうきんのローン」「民間銀行のローン」の3種類がある
  • 教育ローンは、奨学金や特待制度の対象外となる場合や、それらを利用しても資金が足りない場合に利用すると良い
  • 教育ローンを理由する際には、金利や借入総額、返済計画をきちんと確認することが大切

私立大学の医学部の学費は高額であり、教育ローンを組みながら進学するにしろ、経済的に厳しい状況にあるというご家庭も多いことと思います。

そんな中、浪人してしまうと予備校に通うための費用など、さらなる資金が必要になってしまいます。

ですので、「何としても一発で合格したい」「受験費用を最小限に抑えたい」とお考えの方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

医学部に合格するための秘訣は、学力だけでなく、その土台となる「非認知能力」に注目し、自分で課題を見つけて解決する力を身に付けることにあります。

医学部専門個別指導MEDICAL DIGでは、生徒さま一人ひとりの非認知能力を丁寧に分析し、生徒さまが持っている非認知能力の強みと弱みを活かした学習指導を行ってまいります。

たくさん勉強しているのに成績が伸びず悩んでいる方や、相性の良い先生に出会えずお困りの方は、ぜひ一度MEDICAL DIGまでご相談ください。

初回の非認知能力分析や面談・授業は無料ですので、お気軽にご連絡いただければと思います。

また、指導や面談はオンラインで実施しています。お近くに医学部専門塾が無い方や、今通っている塾や予備校と並行して利用したい方など様々なニーズにお応えすることができますので、お気軽にお問い合わせください。

志望校への合格を目指し、一緒に頑張りましょう!

最後までお読みいただきありがとうございました。

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