医学部受験の競争率は非常に高く、厳しい競争に打ち勝つためには、学力だけでなくメンタルの強さも求められます。
実際に、受験生の方が精神的なプレッシャーに押しつぶされ、受験を諦めてしまうケースさえあります。
そこで今回は、医学部受験を目指す方のために、メンタルケアの具体的な方法についてお伝えしていきます。
「追い込まれてしんどい…」という気持ちを乗り越える方法を徹底解説していきますので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
医学部受験の専門家
妻鹿潤
・個別指導塾の経営・運営でお子様の性質・学力を深く観る指導スタイル
・yahooやSmartNews、Newspicksなどメディア向け記事も多数執筆・掲載中
▼目次
医学部受験においてメンタルケアが重要な理由
この章では、医学部受験においてメンタルケアが重要な理由を解説していきます。
具体的なメンタルケアの方法やストレス対策について知りたい方は、「2.【医学部受験】ストレスに対処する具体的な方法|メンタルケア術」までお進みください。
医学部受験においてメンタルケアが重要な理由①受験は長期戦
医学部受験は、他の学部を目指す場合と比べるとより長期にわたる対策が必要です。
多くの受験生は、中学生の頃から基礎学力を積み上げ、高校1年生からは早くも本格的な受験勉強に取り組みます。
このように長期間にわたる受験勉強においては、メンタルを安定させることがとても重要です。
長い受験期間の中では、思うように勉強が進まなかったり、模試の成績が下がったりすることも当然あります。
こうした状況で心が不安定になると、モチベーションが低下し、最悪の場合、受験自体を放棄してしまうこともあります。
受験勉強は、よく「マラソン」に例えられます。
短期間で集中して頑張ればよいというものではなく、長期間にわたり一定のペースを保ちつつ、学力を積み上げていく必要があります。
最初の数ヶ月や半年で結果が出ない場合も多く、その間に焦りや不安を感じることもあります。そして、それらの感情に対処できるメンタルケアができないと、途中で息切れしてしまいます。
また、集中力を保つためには定期的に休息を取ることも重要です。
人間の脳は長時間の集中を維持できるものではなく、疲労が蓄積すると記憶力や理解力が低下していきます。
適度なリフレッシュや休憩を取り入れることで持続的に学習を進めることが可能になりますが、これもまたメンタルの安定があってこそです。
メンタルが不安定な状態では、休むことにすら罪悪感を持ち、無理な勉強を続けてしまいがちです。
ですが、無理に勉強しても内容が頭に入らず、「勉強しているのに成果につながらない」という状況に陥ることも多いです。
結果として成績が低下し、さらにメンタルが不安定になるという悪循環に陥ることも少なくありません。
そのため、長期戦となる医学部受験において、メンタルの安定は非常に重要であると言えます。
医学部受験においてメンタルケアが重要な理由②競争の激しさとプレッシャー
医学部受験は非常に競争が激しい世界です。
定員に対して受験者数が圧倒的に多く、偏差値もトップクラスの学生が集まるため、常に競争に晒されることになります。
そのため、模試の成績や周囲の友人の進捗状況が気になり、「自分だけが遅れているのではないか」といった焦りが生まれやすいです。
このような競争の中で、いかにメンタルを保つかが大きな課題となります。
また、多くの受験生は周囲からの期待も感じています。
保護者さまや学校の先生、友人からの「頑張っているね」「合格できるよ」という励ましの言葉がプレッシャーになることも少なくありません。
期待されることは嬉しい反面、それが重荷になってしまい、「失敗できない」という強迫観念に囚われてしまうことがあります。
このようなプレッシャーを乗り越えるためには、自己肯定感を高め、他人の評価ではなく自分自身の成長や達成感を感じられるメンタルの在り方を身に付ける必要があります。
また、プレッシャーは外部からだけでなく、自分自身が作り出すこともあります。
特に、真面目で責任感が強い人ほど自己評価が厳しく、「まだ勉強が足りない」「このままでは間に合わない」といった自分へのプレッシャーを過剰に感じてしまうことがあります。
これにより不安感や焦燥感が募り、結果的にメンタルが崩れてしまうケースもあります。
医学部受験においてメンタルケアが重要な理由③メンタルの不安定さがパフォーマンスに与える影響
メンタルが不安定になると、勉強の効率に直接的な悪影響が生じます。
集中力が散漫になり、「何時間も勉強しているのに内容が頭に入ってこない」「記憶力が落ちている」と感じることがあります。
これは、ストレスや不安が脳に悪影響を及ぼし、認知機能や判断力を低下させるためと考えられています。
また、メンタルの不安定さが体調不良を引き起こすこともあります。
メンタルが不安定な状態が続くと、ストレスによって自律神経が乱れ、胃痛や頭痛、睡眠障害などの身体症状が現れることがあります。
これによって勉強に支障が出てしまい、メンタルも一層悪化する…という悪循環に陥ってしまうことがあります。
このように、メンタルの不安定さは学習の質や健康状態に大きな影響を与えます。
そのため、医学部受験に挑む場合には、定期的に自分のメンタルの状態をチェックし、早めに対処することが大切です。
特に、焦りやプレッシャーを感じた際には無理をせず一度立ち止まり、心と体をリフレッシュさせることが、長期的な成功につながります。
【医学部受験】ストレスに対処する具体的な4つの方法|メンタルケア術
ストレスやプレッシャーを感じたときには、まずは自分を信じることが大切です。これまで努力してきたことや自分が積み重ねてきた成果に自信を持つことで、さまざまな重圧に打ち勝つことができます。
また、目標を小さく設定し、一歩一歩前進していることを実感することが、精神的な安定につながります。
さらに、周囲からの期待に押しつぶされそうになったときは、親や友人、先生に相談することも大切です。自分ひとりで悩みを抱え込むのではなく、信頼できる人に話すことで気持ちが軽くなり、前向きな気持ちで勉強に取り組むことができるようになります。
加えて、適度な休息と趣味の時間を大切にすることも重要です。メンタルが疲れているときに無理をして勉強を続けるのではなく、少しの間リフレッシュすることでメンタルもリセットされ、再び集中力を取り戻すことができます。
以下では、ストレスに対処する具体的な方法について紹介していきます。
【医学部受験】ストレスに対処するための4つの方法①日々のルーティンを整える
最も基本的なストレス対処法は、日々のルーティンを整えることです。
規則正しい生活リズムを保つことはメンタルの安定に直結し、長期間にわたる医学部受験の負担を支える基盤になります。
まず、質の高い睡眠が極めて重要です。
睡眠不足は集中力を低下させるだけでなく、感情のコントロール力を弱め、ストレス耐性を低くしてしまいます。
特に、医学部受験のように過酷な状況においては、脳をしっかり休ませるために、毎日一定の時間に就寝し、7〜8時間の睡眠を確保することが理想です。
研究によれば、規則正しい睡眠リズムを維持することで、記憶の定着や問題解決能力が向上することがわかっています。(参考:Nature Reviews Neuroscience – Diekelmann & Born (2010))
また、食事のバランスも重要です。脳が活発に働くためには、糖分、タンパク質、ビタミン、ミネラルなどがバランスよく含まれた食事が必要です。
特に、ビタミンB群やオメガ3脂肪酸は脳の働きを助け、ストレスの軽減にもつながるため、これらの栄養素を積極的に摂取することが推奨されます。(参考:Bビタミンとオメガ3の相互作用について – Food for the Brain)
具体的には、魚やナッツ、全粒穀物、緑黄色野菜などを意識して食事に取り入れると良いでしょう。
さらに、適度な運動も欠かせません。
運動はエンドルフィンという「幸せホルモン」を分泌し、ストレスを軽減させる効果があります。
また、毎日の勉強の合間に軽いストレッチや散歩を取り入れることで、血流が良くなり、脳に新鮮な酸素が供給されるため、頭がクリアになり集中力もアップします。
特に、朝のウォーキングや軽いジョギングは気分転換になり、1日を元気にスタートさせることができるのでおすすめです。
【医学部受験】ストレスに対処するための4つの方法②ポジティブな思考を養う
受験期には、失敗や思い通りにいかないことがつきものです。そのため、それに対するポジティブな思考を養うことがストレスに打ち勝つ鍵となります。
ここで大切なのは、失敗をただの「失敗」と捉えず、「学びの機会」として受け入れることです。
例えば、模試で思うような結果が出なかった場合、そのまま落ち込むのではなく、「どこが間違っていたのか」「どの分野を強化すれば次に結果が出るか」を分析することで、前向きに取り組むことができます。
このように失敗から学ぶ姿勢を持つことが、受験期間中の精神的な成長につながります。
心理学的には、「成長志向」と呼ばれる考え方が効果的です。
「成長志向」は、自分の能力や知識は努力次第で伸ばせるという考え方で、成功だけでなく失敗も成長の一環として捉える思考方法です。
この成長志向の考え方を身に付けることで、たとえ失敗してもそこで得た学びを次に生かすことができ、ストレスを感じにくくなります。
また、日々の生活の中で「感謝の習慣」を取り入れることも、ポジティブな思考を養う助けになるとされています。
例えば、毎日寝る前に「今日一日感謝できること」を3つ書き出すなどの簡単な習慣を続けると、出来事のポジティブな側面に脳が意識を向けるようになり、ネガティブな感情に対する耐性が高まることが知られています。(参考:The Neuroscience of Gratitude and Effects on the Brain/How Gratitude Changes You and Your Brain)
【医学部受験】ストレスに対処するための4つの方法③サポート体制を整える
医学部受験のような過酷な環境では、孤独感がストレスの大きな一因となります。そのため、信頼できる人々によるサポート体制を整えることが重要です。
特に保護者さまや友人、塾やプロ家庭教師の先生など、周囲のサポートがあれば困難な状況でも支えられていると感じることができ、精神的な安定を保ちやすくなります。
まず、保護者さまはお子さまが不安や悩みを抱えているときに、安心して話せる存在であることが大切です。
受験生のお子さまは自分一人で悩みを抱え込むことが多いですが、定期的に保護者さまとコミュニケーションを取り、勉強以外の話題でもリラックスして話せる時間を作ることが安心感につながります。
また、塾の先生やプロ家庭教師の役割も重要です。
学力面だけでなく精神的なサポートをしてくれる先生がいれば、お子さまはより安心して受験に集中することができます。
さらに、友人との交流も大切です。同じ受験生同士であれば、共通の悩みを共有し合うことで孤独感が和らぎ、互いに励まし合いながら進んでいくことができます。
ただし、競争心が高まりすぎてプレッシャーになる場合もあるので、そのバランスを取ることが重要です。
【医学部受験】ストレスに対処するための4つの方法④リラックスできる時間を作る
受験勉強は当然大切ですが、リラックスする時間を意識的に作ることも同じくらい重要です。
長時間の勉強が続くと、どうしても集中力が切れ、効率が悪くなります。そこで、定期的にリフレッシュできる時間を取り入れることで心と体をリセットし、再び集中して勉強に取り組むことを心掛けましょう。
リラックスの方法としては、趣味や好きなことに没頭する時間を作るのが効果的です。
例えば、音楽を聴いたり、映画を観たり、散歩をすることで、脳をリフレッシュさせることができます。また、文章や絵を描くといったクリエイティブな活動も、ストレス発散に役立ちます。
さらに、短い瞑想や深呼吸も効果的です。
瞑想は、心を静めて思考をクリアにする効果があり、短時間でもリラックス効果が得られます。1日10分ほどの瞑想を取り入れることでストレスが軽減され、リフレッシュした気持ちで勉強に戻ることができます。
また、深呼吸は即効性があり、緊張感や不安感を和らげるのに役立ちます。緊張したときには、5秒かけてゆっくり吸い込み、5秒かけてゆっくり吐き出すという深呼吸を数回行うと、心が落ち着きます。
受験勉強中は、「もっと勉強しなきゃ」とリラックスを怠ってしまいがちですが、適度な休息こそが長期的な成功につながることを忘れないようにしましょう。
追い込まれた時に取るべき行動3選
医学部受験は非常に長く、また非常に厳しいものです。
受験本番が近づくにつれて、受験生はますます強いプレッシャーや不安を感じるようになり、「もう間に合わないのではないか」「自分にはこのレベルの試験は無理かもしれない」といったネガティブな感情が押し寄せることもあります。
しかし、こうした追い込まれた状況でも冷静に対処し適切な行動を取ることで、心のバランスを取り戻し、受験勉強に再び集中することができます。
ここでは、追い込まれたときに実践できる具体的な対処法について詳しく解説します。
追い込まれた時に取るべき行動3選①限界を感じたら休む勇気を持つ
医学部受験に必要な勉強量は膨大で、多くの受験生が「時間が足りない」と感じています。そのため、無理をしてでも勉強を続けようとしてしまいがちです。
しかし、勉強の効率を高い状態で維持できるのは、心身ともにリフレッシュできているときだけです。限界を感じたときには、あえて休む勇気を持つことが大切です。
何時間も勉強を続けたせいで「疲れたな」「しんどいな」と感じている状態では、集中力も低下しています。そのため、いくら頑張っても勉強が思うように進まないことが多いです。
そんなときは、短い休憩を挟んだり、リフレッシュしたりする時間を意識的に作るようにしましょう。
「勉強しなければ」というプレッシャーは強いかもしれませんが、勉強の効率が低下している状態で続けるよりも一度休んで心身をリセットする方が、結果的に勉強の効率は上がります。
ですので、こまめな休憩やリフレッシュを忘れないようにしましょう。
休憩やリフレッシュの具体的な方法としては、以下のようなものがあります。
趣味に没頭する時間を作る
勉強のことを一旦忘れて、趣味や好きなことに没頭する時間を取ることが大切です。音楽を聴いたり、映画を見たり、軽い運動をしたりするなど、自分が楽しめることをすることでストレスを軽減できます。
特に、軽い運動を行うとエンドルフィンが分泌され、心をリフレッシュさせることができるため、心の疲労を癒すのに非常に効果的です。
深呼吸や瞑想を取り入れる
短時間でも、深呼吸や瞑想を取り入れることで頭の中をクリアにし、感情のコントロールを取り戻すことができます。
リラックスできる環境で静かに目を閉じ、呼吸に集中することで、心が落ち着きます。これにより再び集中して勉強に取り組むことができるようになります。
追い込まれた時に取るべき行動3選②目標を小さく分ける
医学部への合格は非常に大きな目標であり、試験の規模や競争の厳しさに圧倒されることも少なくありません。
多くの受験生が、試験日が近づくにつれて「まだこれだけのことをやらなければならない」「間に合うのだろうか」といった不安に押しつぶされそうになります。
そんなときは、目標を小さく分けることが効果的です。
長期的な目標を達成するためには、その道筋を具体的かつ段階的に分けることが大切です。
例えば、「1ヶ月でこの参考書をすべて終わらせる」といった大きな目標を設定するのではなく、「今日はこの章を理解する」「明日はこの範囲の問題を解く」といった小さな目標に分解し、それをクリアしていくことに集中します。
小さな目標を次々に達成していくことで達成感が得られ、自己効力感(自分はできるという感覚)が高まります。
この方法には以下のような利点があります。
大きな目標に圧倒されてしまうとモチベーションが低下しやすくなりますが、小さな目標を設定することでこまめに達成感が得られるため、ストレスを軽減できます。
○進捗を視覚化できる
小さな目標をクリアするたびに、それを目に見える形で記録することも効果的です。
例えば、毎日やったことを手帳やカレンダーに書き込んでいくことで、自分がどれだけ進んでいるかを視覚的に確認できます。
これによって学習の進捗が実感でき、自信を持つきっかけとすることができます。
○「今」に集中できる
未来に対する漠然とした不安に囚われるのではなく、「今」やるべきことに集中することができるようになります。現在の課題にしっかり向き合うことで、目の前の目標に全力を注げるようになり、結果的に勉強の効率も上がります。
追い込まれた時に取るべき行動3選③周りと比較しない
受験生にとって、周りと自分を比較することは非常にストレスを感じてしまう行動です。
特に医学部受験では、模試の成績や周囲の進度を気にしがちですが、それがメンタルの不安定さを招いてしまいます。
他人の成功や進捗を見て焦ることはよくありますが、重要なのは自分自身のペースで着実に学力を伸ばしていくことです。
他の人と自分を比較することは、メンタル面において以下のような悪影響を及ぼします。
他人の結果と自分の現状を比較してしまうと、自分がどれだけ努力していてもそれが十分でないと感じてしまい、自己評価が下がってしまいます。
特に、模試の結果などで他人が自分より上の成績を取っていると、それに対する焦りや嫉妬心が生まれ、モチベーションが低下してしまうことがあります。
○不安や焦燥感の増加
周囲の進度が自分より早いと感じると、「自分も急がなければ」と思い、無理なスケジュールを組んだり、余裕を失ったりすることがあります。このことがメンタルに大きな負担をかけ、パフォーマンスを低下させる原因となります。
こうした状況を避けるためには、周りの情報に過度に影響されないことが大切です。模試の成績や他の受験生の話はあくまで参考程度に留め、自分の目標や進捗に集中することが重要です。
○他人のペースに惑わされてしまう
他の人がどれだけ早く進んでいても、それが自分にとって最適なペースとは限りません。重要なのは、一人ひとりに合ったペースで進むことです。
医学部受験はあくまで長期戦なので、目の前の課題に集中し、計画通りに進めることが合格への最善の道であることを意識しましょう。
医学部受験が進むにつれて、プレッシャーや不安が増すのは避けられないことです。
しかし、その中で冷静に自分の状況を見つめ直し、適切な行動を取ることがとても重要であり、合否を分ける要素の一部となります。
ですので、限界を感じたときには無理をせずに一度休むことで心身をリフレッシュし、再び集中できる状態を作り出しましょう。
小さな目標を設定して一つずつクリアしていくことで達成感を積み重ね、自己効力感を高めることができます。
そして、他人との比較は避け、自分自身の進捗に集中することが、長期戦である医学部受験を乗り切るための最良の方法であると言えます。
【医学部受験】受験期に多い悩みとその解決策|合格体験記
医学部受験生のお子さまが抱える悩みには、いくつかの共通したテーマがあります。
多くの受験生は、勉強の進度や模試の結果、さらには周囲の友人たちの進捗を自分と比較することで、焦りや不安に襲われます。
医学部受験は特に競争が激しく、周囲の期待やプレッシャーも相まって、多くの受験生が「このままでは間に合わないかもしれない…」という感覚に苛まれることが多いです。
ここでは、よくある具体的な悩みとその解決策について、合格者のリアルな経験談を交えながら詳しく解説します。
【医学部受験】受験期に多い悩みとその解決策①周囲との競争意識と焦り
医学部受験生が抱える最も一般的な悩みの一つが、周囲との競争意識です。
特に、模試の成績が思わしくなかったり、友人が自分よりも早く進んでいるように見えたりすると、強い焦りを感じることがあります。
多くの受験生は、周囲と自分を無意識に比較してしまい、その結果として「自分はまだまだ足りない」「もう間に合わないかもしれない」というネガティブな感情に押しつぶされそうになります。
ある医学部合格者のAさんは、まさにこの悩みに苦しんでいました。
彼女は、最初の模試で友人が自分よりも遥かに高い点数を取っていたことに大きなショックを受けました。
「友達が成績をどんどん上げていくのを見て、私は何度も落ち込みました。特に、彼らが模試で全国上位に入っているのを聞いたとき、自分だけが取り残されているような気がして、本当に焦りました」
Aさんはその焦りから無理なスケジュールを立て、夜遅くまで勉強を続けていました。その結果、逆に集中力が低下し、成績も思うように伸びなかったそうです。
そんな中、Aさんはプロ家庭教師の先生の言葉がきっかけとなり転機を迎えました。
「先生に、『他の人と自分を比較しても仕方がない。君のペースで確実に進めば結果はついてくる』と言われました。そのとき、自分が他人の進度に振り回されすぎていたことに気付きました」
そこからAさんは、自分自身の目標を立て直し、周囲との比較をやめることを決意しました。
具体的には、毎日の勉強で達成する小さな目標を設定し、それをクリアしていくことに集中しました。
「今日は数学の問題集を1章終わらせる、英語の単語を100個覚える、といった感じで、小さな達成感を積み重ねていきました。友達がどれだけ先に進んでいても気にせず、自分のペースを大事にすることで、次第にメンタルが落ち着いていきました」
このAさんのエピソードは、周囲との競争意識に囚われることがいかに精神的に負担をかけるか、そしてその負担が勉強の効率に悪影響を及ぼすかを教えてくれています。
Aさんのように自分自身のペースで勉強を進めることが、結果的には合格への最短ルートとなり、それが一番のメンタルケアになります。
受験生の皆さんには、ぜひこのことを意識していただきたいと思います。
【医学部受験】受験期に多い悩みとその解決策②「もう間に合わない」という焦り
受験が近づくにつれて誰もが感じるのが、「もう間に合わないかもしれない」という焦りです。
この感覚は試験が近づくほど強まり、特に過去に模試の成績が振るわなかった経験がある方ほど大きくなります。
こうした焦りは、医学部受験の特性上、多くの試験範囲を網羅しなければならないことや、その上で各科目で高得点を取らなければならないことから生まれます。
しかしながら、この焦りに飲み込まれてしまうと冷静な判断ができなくなり、ますます学習効率が落ちてしまうという悪循環に陥ってしまいます。
合格者のBさんは、まさにこのような悩みを抱えていました。
「受験が近づくにつれて、『この範囲もまだできていない』『ここも弱いままだ』といった不安がどんどん膨らんでいきました。試験までにすべてをカバーできるのか、というプレッシャーで眠れない日もありました」
Bさんはそのプレッシャーから、夜遅くまで無理に勉強を続け、睡眠時間を削ることでさらに疲労が蓄積するという悪循環に陥っていたそうです。
焦って毎日寝不足になっているBさんを見かねた学校の先生は、次のようにアドバイスしたそうです。
「すべてを一気に解決しようとするのではなく、一つずつやるべきことを整理していくことが重要だよ」
そこでBさんは、焦りからやみくもに問題を解いてしまっている自分に気付くことができました。
Bさんは先生のアドバイスに従い、「今日は物理の力学だけを完璧にする」「明日は英語のリーディングを徹底的に復習する」といったように、各科目を細かく分けて取り組むことで、焦りをコントロールしたそうです。
「毎日小さな目標をクリアしていくことで、少しずつ自信がついていきました。気づけば、不安よりも『今日もできた』という達成感の方が大きくなっていました」
Bさんのエピソードからは、目標を小さく分けて一つずつクリアすることの重要性が分かるかと思います。
【医学部受験】受験期に多い悩みとその解決策③親や友人、サポート体制の重要性
受験期間中には、孤独感を抱える方も多くいます。また、受験が近づいてプレッシャーや焦りが強まると、自分ひとりでその重圧を抱え込んでしまうことが多くなります。
そのような状態にならないためにも、周囲に適切に頼りながらサポートを受け、メンタル面の支えを得ることが大切です。
Cさんは医学部合格を果たした後、受験期間中に最も助けられたのは親とのコミュニケーションだったと話してくれました。
「私の親は、特に勉強について口出しすることはありませんでしたが、私が不安で落ち込んだときにはただ話を聞いてくれました。それがすごく安心できたんです。誰かに話を聞いてもらえるだけで、気持ちが軽くなり、また頑張ろうと思えるようになりました」
Cさんのように、保護者さまが積極的にアドバイスをするのではなく、見守ることを中心にサポートすることで、お子さまの孤独感やプレッシャーを軽減することができます。
また、友人や塾・プロ家庭教師の先生との交流も重要です。
Cさんは、「受験期にはどうしても孤独感が募るけれど、塾で友達と一緒に勉強する時間がとても励みになった」とも仰っていました。
友人と励まし合いながら勉強し孤独感を解消することも、非常に効果的なメンタルケアの方法であると言えます。
【医学部受験】プレッシャーに負けない心の強さをチェック!簡単合格率診断
医学部受験を目指す受験生や保護者さまの中には、「このままのペースで勉強していて、合格できるのだろうか…」と不安を感じている方も多いかと思います。
また、精神的な負担が大きい医学部受験では、メンタルケアも非常に重要です。
そこで、受験の厳しさに押しつぶされないよう、勉強の進捗と併せてメンタルケアの状態もチェックしてみましょう。
以下のチェックリストでは、「メンタルがどれだけ安定しているか」や「適切なメンタルケアができているか」を簡単に確認することができますので、ぜひお試しください。
① 勉強の途中で集中力が切れることが多い
② 模試の結果で自信をなくし、モチベーションが下がる
③ 友人や他の受験生と自分を比較して、焦ることがある
④ 夜更かしや不規則な生活をしてしまい、勉強のリズムが崩れている
⑤ 日々の生活の中で不安やストレスを感じることが多い
⑥ 勉強しているのに思うように成績が伸びず、やる気が下がる
⑦ ミスが続くと「もう無理だ」と思い、諦めたくなることがある
⑧ 模試や定期テストが近づくと、焦りからいつも以上に不安になる
⑨ 「勉強さえしていれば成績は上がる」と考えて、戦略を立てずに勉強している
⑩ 親や先生に相談することが少なく、悩みを抱え込んでしまう
○0~2項目に当てはまった方:
非常に良いメンタル状態で受験に取り組めています!現状を維持しながら、さらにメンタルケアを強化しましょう。
○3~5項目に当てはまった方:
メンタル面で多少の不安があります。特に自律性やストレス耐性を意識して、自己管理を徹底しましょう。精神的なケアを意識できれば、模試や本番でもっと良いパフォーマンスを発揮できる可能性があります。
○6項目以上に当てはまった方:
メンタルに負担がかかりすぎています。疲労や不安が勉強の効率を大きく下げているかもしれないので、今すぐメンタルケアに取り組むようにしましょう。
このチェックリストでは、メンタルケアの状態だけでなく、お子さまの「非認知能力」、すなわち、学力テストでは測れない心の強さや自己管理能力を把握することができます。
例えば、チェック項目の④や⑦に当てはまる場合、「自律性」が不足している可能性があります。
「自律性」とは、自分で決めたルールを守り、己を律して行動する力のことであり、特に医学部受験のような長期的な挑戦では重要な役割を果たします。
特に自己管理能力が低く、夜更かしや不規則な生活によって勉強リズムが崩れ、集中力が続かない場合は、今一度医学部を目指す理由を見つめ直し、文字どおり自分を律して受験に挑んでいただきたいと思います。
また、チェックリストの⑥や⑨に当てはまる人は、「目的思考力」が不足していると考えられます。
例えば、「⑨『勉強さえしていれば成績は上がる』と考えて、戦略を立てずに勉強している」については、本来は「自分は○○が苦手なので、克服するためにこの問題を解く」といったように、目的を意識しながら勉強すべきところを、目的を持たずただ漫然と勉強に取り組んでしまっています。
「目的思考力」は、医学部受験において非常に大切です。
というのも、“合格するために今何をすべきか”を自分で考えることができなければ、受験までの限られた時間の中で、自分に合った勉強方法を見つけ、効率良く学習することができません。
ですので、やみくもに問題を解くのではなく、「なぜこの問題を解くのか」という目的思考を持ち、漫然とただ問題量をこなすという勉強方法から一段ステップアップすることが大切です。
医学部専門受験指導のMEDICAL DIGでは、このような非認知能力に着目した指導を行っています。
医学部に合格するためには、学力だけではなく、受験という長期的な戦いを乗り越えるためのメンタル力、そしてそれらの土台となる非認知能力が不可欠です。
MEDICAL DIGでは、まずカウンセリングを通じてお子さまの非認知能力を分析し、どの部分が強みで、どの部分に課題があるのかを明確にします。
その上で、非認知能力を向上させるための個別カリキュラムを作成し、自分で課題を見つけて解決していく力、すなわち「自分で成長していく力」を身に付けられるようサポートします。
「勉強しているのに思うように成績が伸びない…」
「毎日勉強を頑張っているのに、心が折れそうになる…」
このような不安を感じている方は、ぜひ一度【非認知能力】に特化したMEDICAL DIGのカウンセリングをお試しください。メンタルケアも含めた総合的な受験対策で、合格までの道のりをしっかりサポートいたします。
医学部受験におけるメンタルケア術・ストレス対策のまとめ
この記事では、医学部受験におけるメンタルケアやストレス対策について詳しく解説してきました。改めてポイントをまとめると、以下のとおりです。
- 医学部受験は長期にわたるため、メンタルの安定が学習効率に直結する
- 競争やプレッシャーが焦りを生み、メンタルバランスを崩しやすくなる
- 無理に勉強するより、適度に休息を取った方が結果的にパフォーマンスは向上する
- 小さな目標を立て一つずつクリアしていくことで、達成感が得られ、メンタルの安定につながる
- 他人と比較せず自分のペースを守ることが、メンタル維持においては非常に大切
医学部受験を成功させるためには、学力だけでなく、メンタルの安定が必要不可欠です。
特に長期にわたる医学部受験においては、精神的な安定が学習効率に大きく影響します。受験期間中には、競争のプレッシャーや焦りを感じることが避けられませんが、これにどう対処するかが合否を左右する重要なポイントとなります。
このように勉強に全力で取り組みながらもメンタルを健やかに保つためには、以下のようなスキルを身に付ける必要があります。
- 自分で決めたルールを守る力(自律性)
- 目的から考えて行動する力(目的思考力)
- 見通しを持ち計画を立てる力(計画力)
- 課題を見つけて分析する力(課題発見・分析力)
医学部合格を目指すためには、単に学力を伸ばすだけでなく、その土台となる「非認知能力」を身に付けることが非常に大切です。
学力の伸び悩みの背景には、「自分で決めたルールを守る力(自律性)」や「目的から考えて行動する力(目的思考力)」といった非認知能力の不足が関係していることが多いです。
しかしながら、非認知能力に着目した学習指導ができる塾や先生は少なく、適切な指導が受けられないために「頑張っているのになかなか成績が上がらない…」と困っている受験生の方も多くいらっしゃいます。
医学部専門個別指導MEDICAL DIGでは、この非認知能力に着目することで学力の伸び悩みの問題を解決し、多くの受験生の方を医学部合格へと導いてきました。
学力が伸び悩んでいる方や、いろいろな医学部専門塾を試したけれど結果につながらないという方は、ぜひ一度MEDICAL DIGの非認知能力に基づく学習指導をお試しください。
また、MEDICAL DIGの授業や面談はすべてオンラインで承っています。
全国各地からご利用いただけるほか、お近くに医学部専門塾が無くお困りの方、今通っている塾や予備校と並行して活用したい方など、様々なニーズにお応えすることが可能です。
初回の授業と面談・非認知能力診断は無料ですので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
志望校合格を目指して、一緒に頑張りましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました。